視神経・視路とその疾患

一過性黒内障

一過性黒内障とは

一過性に片眼の視力が減退し、数秒から数分で回復するものを一過性黒内障という。原因は下記の2つが考えられている。

  1. 不整脈があり、持続的に血栓が心臓から網膜や視神経に飛ぶ場合
  2. 内外頸動脈の分枝部付近にアテロームができ、そこから網膜や視神経に血栓が飛ぶ場合

一過性黒内障の症状

1.自覚症状

片眼の視力低下は数秒から数分で回復し、その後視力はもとの状態に戻る。

2.他覚症状

  • 網膜血管内に柱子(Hollenhorst plaque)
  • 眼球の虚血徴候(網膜静脈拡張、中間周辺部網膜の斑状出血、虹彩や網膜で新生血管)

一過性黒内障を認めたら

不整脈や内外頸動脈にアテロームを形成している恐れがあるため、血管外科医あるいは循環器科にコンサルし、病気がないか検索していただく必要がある。

一過性黒内障の治療

一過性視力低下の原因が他にないかを検索し、必要であれば網膜電位図(ERG)やフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)などで評価を行う。もしも脈絡膜や網膜に虚血が存在すれば網膜光凝固なども検討する。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

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