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高眼圧症とは
眼圧が正常範囲より高いにも関わらず、領内症性の視神経変化や視野異常を認めないものを高眼圧症という。しかし、高眼圧症から緑内障に移行することがあり、移行しやすい症例の背景として、緑内障の家族歴、高齢者、屈折異常(高度近視)、薄い角膜厚、垂直C/D比が大きい、高眼圧、PSDが大きい、乳頭出血の有無などが知られている。高眼圧症が原発開放隅角緑内障に移行する割合は年に1-2%程度で、また別の報告では無治療の高眼圧症が5年間に原発開放隅角緑内障に進展する確率は9.5%と報告している[2]。
高眼圧症の診断
高眼圧症の診断は定義通りであるが、角膜厚が厚いと眼圧測定値が高く得られていることもある。ただし、角膜厚から真の眼圧値を換算できるわけではないため、あくまで参考程度とされる。
高眼圧症の治療
「眼圧24mmHg以下で、ベースライン眼圧より20%以上の眼圧下降率」を目標として、原発開放隅角緑内障の治療に準じて行われる。
基本的には無治療だが、前述のように緑内障へ進行する恐れがあるため、定期検査が重要となる。特に、角膜厚が薄い症例は緑内障へ進行しやすいという報告がある。具体的には、角膜厚が555μmより薄く、眼圧が25mmHgより高い群では5年間で緑内障に移行する危険率が36%となるとされる。
とはいえ、高眼圧症から原発開放隅角緑内障へ移行する例は1年に1から2%程度である。アメリカの高眼圧症のスタディでは、眼圧が24~32mmHgの高眼圧症例を無作為に無治療群(9.5%)もしくは点眼加療群(4.0%)に分けたとき、後者の方が緑内障への移行が有意に少なかったことが示されている。そのため、点眼加療が有効と判断でき、その投与は原発開放隅角緑内障の治療に準じて行われる。
参考文献
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