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乱視とは
乱視は「眼の経線方向で屈折力が異なり、平行光線が眼内で一点に結像しない屈折状態」と定義されている。主に角膜や水晶体に由来する。各経線方向での遠点と焦点を合致させるレンズを装用することで矯正される。
乱視の分類
大別すると、
- 正乱視:対照的な屈折の歪みで、円柱レンズで矯正される。最も強い屈折力を持つ主経線(強主経線)と最も弱い屈折力を持つ主経線(弱主経線)が直交しているトーリック面光学系である。強主経線の方向が垂直の場合を直乱視、水平の場合を倒乱視と呼ぶ。直乱視は凹(マイナス)円柱レンズの軸は180度で、凸(プラス)円柱レンズの軸は90度である。乱視軸が斜めの場合を斜乱視と呼ぶ。
- 不正乱視:屈折面が滑らかではなく、不規則な屈折により、円柱レンズでも矯正できない。
主経線の屈折状態により
- 単性乱視:主経線の1つが正視で、他が近視あるいは遠視の場合の乱視
- 複性乱視:両主経線とも近視あるいは遠視である乱視
- 混合(雑性)乱視:1つの主経線が近視で、他の主経線が遠視の乱視
若年者では直乱視が多く、高齢者では倒乱視が多い。角膜乱視・全乱視も加齢に伴って倒乱視化する。
乱視の診断
正乱視は角膜乱視と全乱視の結果から判断する。角膜乱視はオフサルモメータ(ケラトメータ)、角膜トポグラフィなどの角膜形状解析装置により検査される。一方、全乱視はレフラクトメータなどの他覚屈折検査装置や放射線乱視表によるレンズ交換法やクロスシリンダー法などの自覚屈折検査で測定される。
不正乱視はオフサルモメータでの測定は難しいが、プラチド角膜計やビデオケラトスコープのMeyer像の観察から定性的に評価できる。最近は波面センサーによる高次波面収差解析装置、角膜形状解析装置、光干渉遮断層計(OCT)による不連続面の評価も可能になった。
乱視の治療
正乱視では円柱レンズによる眼鏡、ハードコンタクトレンズ、あるいはソフトのトーリックコンタクトレンズを装用させる。装用が難しければ屈折矯正手術も選択肢となりうる。網膜像が歪むため、乱視度は2D以内に収めることが望ましい。これより強い乱視成分は等価球面度数で矯正する方が空間知覚を崩さない。
角膜の不正乱視にはコンタクトレンズを装用するが、高度の不正がある場合には角膜移植、エキシマレーザーなどが適応となる。
参考文献
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