眼科で行う検査

小児の視力・屈折検査

小児の視力・屈折検査の目的

視力検査は視力の発達や弱視治療の効果判断に重要であり、成人と異なるものがいくつかある。また、屈折検査は斜視や弱視の治療目的として重要である。

Landolt環による視力検査が可能で、斜視や弱視がなければ、成人と同様の検査を行う。しかし、中には視力検査がうまくできない児や、斜視や弱視が疑われる場合は、乳幼児向けの視力検査法や、調節麻痺薬を使用しての他覚的屈折検査が必要となる。

検査が十分にできる8歳程度までの児であっても、字づまり視力表よりも字ひとつ視力表での結果が良好なことが多い。

小児の視力・屈折検査の検査法

1.視力検査

  • Landolt環による字ひとつ視力→3歳から小学校低学年
  • 絵視力表→Landolt環で検査ができない2~3歳児
  • 縞視力→新生児から絵視力検査が可能になるまでの年齢で用いる。何もない画面より、乳幼児は縞模様のある画面を長く見ることを利用して開発された。PL法やTAC法、手持ちのカード式がある。
  • 森実ドットカード:動物の顔の輪郭、鼻、口などだけが描いてあるカードで、近見(30㎝)で目を指で差してもらい検査する。他の検査ができない1~3歳の幼児では有用である。

2.屈折検査

検影法とオートレフラクトメータによる方法がある。乳幼児ではポータブルタイプが有用である。

いずれにせよ、小児では器械近視の問題があり、特に内斜視や弱視が疑われる乳幼児では、調節麻痺薬を使用しての屈折検査が不可欠である。特に、内斜視や弱視の例では、1度はアトロピン点眼薬で検査を行うべきである。

小児の内斜視、弱視、白内障手術後などの治療眼鏡は8歳まで保険適用である。

小児の視力・屈折検査の判定

年齢相応の発達が見られないものが弱視である。治療とともに矯正視力は必ず上昇していくものであると信じる必要がある。仮に視力値が前回と同じか下がった場合、屈折値の変化を確認したり、全く別の疾患がないかを確認すべきである。

参考文献

  1. 今日の治療指針第3版

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