ドクターK
・結膜母斑ってどんな病気なの?
と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
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結膜母斑とは
母斑細胞の異常やメラノサイトの異常によって結膜に生じる良性腫瘍で、小児期(20歳までに出現することが多い)に発生することが多い。眼球結膜が発生部位として多く、円蓋部や眼瞼結膜ではやや発生頻度が下がる。
腫瘤は扁平からドーム状をしていて、色素沈着が豊富で黒褐色調であるものや、淡い褐色調のものまで色調は様々である。
結膜母斑の病理所見
結膜母斑の病理所見は下記の通りである。
- 類円形核を有する異型性のない母斑細胞が、結膜上皮下にびまん性に、あるいは胞巣を形成して増生する。
- 増生した母斑細胞の細胞質には散在性にメラニン色素が充満する。
- 腫瘤内に大小の固有嚢胞が形成される。
- 嚢胞壁は数層の扁平上皮系細胞に裏打ちされ、嚢胞壁内に母斑細胞の浸潤や杯細胞が混在する。
- 母斑細胞はS100蛋白(メラノサイト系マーカー)に陽性を示し、HMB45も陽性になることがある。
結膜母斑の前眼部光干渉断層計(AS-OCT)
低輝度な管腔様病変を認めることがある。ただし、AS-OCTにて嚢胞を検出できる症例は61%にとどまるとの報告もある。
細隙灯顕微鏡やAS-OCTのみでは診断確定できないため、悪性黒色腫などが疑わしい場合は腫瘤の試験切除を検討すべきである。
参考文献
- あたらしい眼科2020 Vol37,No1
- 眼科学第2版
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