ドクターK
網膜星状膠細胞過誤腫ってどんな病気なの?
と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
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網膜星状膠細胞過誤腫とは
網膜星状膠細胞過誤腫は主に先天性で、視神経乳頭もしくは網膜内層から発生する半透明または黄色の良性腫瘍である。通常は視力に影響なく、進行も緩やかで、加療を要するものは少ない。結節性硬化症や神経腺腫症などに合併することが多い。
石灰化を認めることが多く、その場合は閃輝性の黄色を示し、”桑の実状”と表現されることが多い。網膜深層に認める場合は石灰化はなく、網膜下の線維化のように見えることもある。
全身疾患を伴う場合は、両眼性で多発性のことが多い。小児に見られるため網膜芽細胞腫との鑑別が重要となる。
網膜星状膠細胞過誤腫の検査所見
1.フルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)
早期に細い血管(拡張や蛇行はない)がみられ、後期に組織染を認める。
2.光干渉断層計(OCT)
高輝度な網膜表層の隆起性病変として観察できる。石灰化があれば虫食い状に低蛍光となる。
網膜星状膠細胞過誤腫の治療と予後
治療としては光凝固術や冷凍凝固、硝子体手術などがある。
基本的には視力に影響はないが、まれに変異型で顕著に拡大し、滲出性網膜剥離や硝子体出血、血管新生緑内障などを生じることがあるため、注意が必要となる。
後天性網膜星状膠細胞腫
黄色の網膜腫瘤で、成人に発症する。片眼性、孤発性であり、石灰化はほとんどない。無症候性のことが多く、全身疾患との関連はないとされる。FAでは腫瘍内に細い血管を認め、後期でびまん性組織染を認める。栄養血管に拡張や蛇行はない。基本的に良性であるが、拡大しうるため経過観察が必要となる。
参考文献
- あたらしい眼科37(1):23~32、2020
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