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テンシロンテストとは
重症筋無力症の補助診断に用いる検査である。アセチルコリンはコリンエステラーゼに分解されるが、このコリンエステラーゼ阻害薬であるエドロホニウム塩化物を投与すると、神経節合部のアセチルコリン濃度が高まり、筋収縮作用が一時的に改善する。ただし、消化管・尿路疾患がある患者には禁忌である。
テンシロンテストの検査方法
準備するもの
- アンチレクス®静注10㎎
- 生理食塩水
- アトロピン硫酸塩水和物
- 三方活栓
- 点滴セット
実際の手順
- アンチレクス®1mlを5mlの注射器で吸い、生理食塩水で5mlに希釈する。
- 100mlの生理食塩水で準備した希釈アンチレクス®とアトロピン硫酸塩水和物を、それぞれ接続する。
- はじめにアンチレクス®希釈液を1mlを15~30秒かけてゆっくり静注する。
- 徐脈、悪心、腹部症状などムスカリン性コリン過敏症状がないことを確認し、45秒後に残りのアンチレクス®希釈液を静注する。
- 副作用があれば、速やかにアトロピン硫酸塩水和物を投与する。
テンシロンテストの判定
アンチレクス®投与後すぐに眼瞼下垂や眼球運動障害が改善することもある。所見が明らかでなければ、写真で比較したり、Hessコージオメーターで確認したりする。どちらか判別できない場合は陰性とする。すでにコリンエステラーゼ阻害薬投与されている患者では、テンシロンテストによってかえって筋力低下がみられることもある。これをコリン作動性クリーゼという。
参考文献
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