スポンサーリンク
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)とは
角膜に結節性細胞浸潤とそれに向かう表層性血管侵入を特徴とする炎症性疾患で、そのフリクテンが角膜、結膜に生じているものを総称してフリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)という。小児~若年女性に好発する。
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)の病態
局所の細菌蛋白に対するⅣ型アレルギー反応に伴う炎症細胞浸潤と考えられている。近年はP.acnesが重要な起因菌であり、その他にも結核菌(~1960年)、ブドウ球菌(1960年~)が起因菌として知られる。霰粒腫の既往歴があることが多いとされる。
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)の分類
以下の3つに分類できる。
- 結膜フリクテン
:瞼裂部または瞼裂斑部付近に多い。初期はピンク色の限局する小隆起だが、数日経過すると結節性病変は増大する。中央に潰瘍を形成しフルオレセインで染色される。 - 角膜フリクテン
:角膜下方周辺部に好発する。瞼裂部に発症することもある。眼瞼炎やマイボーム腺炎合併例では再発頻度が高いとされる。血管侵入が角膜中央部にかかると、束状角膜炎と言われる。 - 角膜輪部フリクテン
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)の症状
異物感、充血、眼痛、羞明、流涙、視力低下を認め、重症例では角膜硬度と菲薄化により高度視力低下をきたすこともある。流涙、眼痛や眼瞼痙攣などを認めることがある。眼瞼にマイボーム腺炎やマイボーム腺梗塞、霰粒腫、眼瞼炎を合併することが多い。
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)の眼所見
白色・楕円形の結節性細胞浸潤とそれに向かう表層性血管侵入、対応する球結膜の充血が特徴的。再発を繰り返すと、血管侵入が高度になり、壊死性角膜炎と見誤ることがあるが、マイボーム腺炎の有無で判別可能となる。
フリクテン角結膜炎(角膜フリクテン)の治療
炎症が強ければステロイドと抗菌薬点眼の併用を行うが、細菌が十分に除菌されるまでは抗菌薬を中心に治療を行う。マイボーム腺炎や眼瞼炎等あればその治療も行う。
処方例
- ベストロン点眼0.5%+0.1%FM 各1日4回
- フロモックス錠100㎎3錠分3
- エコリシン眼軟膏 マイボーム腺開口部に塗布
参考文献
関連記事
結膜とその疾患このページでは結膜とその疾患についてのリンクを掲載しています。...
角膜とその疾患このページでは角膜とその疾患についてのリンクを掲載しています。...