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全眼球炎とは
眼内炎が進行して眼球全体に炎症が波及した状態で、原因として外因性(外傷や内眼手術)と内因性に分類される。
糖尿病、化学療法中などの免疫不全の状況下では眼内炎をきたしやすく、また経中心静脈栄養やカテーテル・バルーンの使用歴があれば真菌性眼内炎を疑う。
全眼球炎の症状
症状は眼痛、眼脂、充血、視力低下などの自覚症状に加え、他覚所見として角膜混濁や浮腫、前房蓄膿やフィブリンの析出、前房炎症、硝子体混濁が挙げられる。
全眼球炎の治療
治療は起因菌が不明の場合、抗菌薬の頻回点眼、バンコマイシン、セフタジジムの硝子体内投与(バンコマイシン1回1.0㎎/0.1ml,モダシン1回2.0㎎/0.1ml)、第4世代セフェム系(セファゾプラン)などの全身投与を行う。原因菌が分かればデエスカレーションを行う。
薬物療法の効果が乏しく、硝子体に感染の首座があると判断した場合は硝子体手術と抗菌薬の硝子体潅流(バンコマイシン:20μg/ml、セフタジジム40μg/ml)を行う。
全眼球炎の予後
全眼球炎は予後不良であることが多く、グラム陰性桿菌が起因菌の場合は、適切に処置をしても失明に至る可能性がある。
参考文献
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