網膜とその疾患

白点状眼底

白点状眼底とは

遺伝性夜盲の一つで、暗順応の遅延と眼底に無数の小白点を特徴とされる。ほとんどが常染色体劣性遺伝を示し、原因遺伝子としてRDH5が報告されている。RDH5に変異があると、視物質の再生に支障をきたす。健常者であれば暗順応は30分程度で完了するのに対して、白点状眼底の患者では暗順応に2-3時間を要する。

白点状眼底の症状と所見

通常、視力や色覚、視野には異常がなく、夜盲を主症状とする。ただし、錐体ジストロフィや黄斑部に萎縮性病変があれば視力は低下する。眼底検査にて網膜色素上皮レベルに無数の小白点を認め、黄斑部にはほとんど見られない

白点状眼底の眼底写真

白点状眼底の診断

暗順応検査と網膜電図が重要である。前述したように、暗順応時間が2-3時間程度に正常まで回復する。一方、錐体系網膜電図については正常とされる。

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白点状眼底の治療

現在、確立された有効な治療法はない。動物レベルで9-シスレチナールによる治療の有効性が示されており、ヒトデも9-シス―βーカロチンの経口摂取により視野や杆体応答の改善が得られたとする。

白点状眼底の予後

夜盲のみであれば高齢になっても医療機関を受診しないケースもあるが、合併症があれば視力障害をきたすことがある。

参考文献

  1. 今日の治療指針第3版

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