ドクターK
・虹彩嚢胞ってどんな病気なの?
と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
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虹彩嚢胞とは
虹彩嚢胞には上皮性嚢胞と間質嚢胞が存在する。
上皮性嚢胞は虹彩後面に存在する上皮細胞層から発生すると考えられている。そのため、細隙灯顕微鏡では表面は平滑で、均一な茶褐色の腫瘤性病変を示し、弾性軟である。
虹彩嚢胞の検査所見
1.細隙灯顕微鏡所見
腫瘤が小型であれば未散瞳では発見されず、眼底検査時に虹彩裏面~水晶体前面に腫瘤形成がみられる。
臨床的には虹彩の悪性黒色腫と混同される。
2.病理学的所見
病理学所見は、著明な色素を含んでおり、HE染色では評価できないため、過酸化水素によるメラニン漂白が必須となる。この漂白標本で、細胞は異型性がない円形核を有し、豊富なメラニン色素を伴う細胞質を有する。
参考として、上皮性マーカーであるAE1/AE3で免疫組織化学染色を行い、ジアミノベンジジンにて発色する。光量を上げて光学顕微鏡で観察すると、増生している細胞の細胞質に茶褐色に陽性になり、上皮細胞であることが分かる。
3.前眼部OCT(AS-OCT)所見
AS-OCTでは虹彩の前境界層や間質には異常なく、上皮層に低輝度な嚢胞性病変が確認できる。嚢胞内部は完全な空洞状となる。
参考文献
- あたらしい眼科2020 Vol37,No1
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