弱視とは
弱視とは「片眼または両眼に斜視や屈折異常があったり、形態覚の遮断が原因で生じた視機能の低下」である。
弱視の分類
2010年の山田らの報告によれば、人口の0.6%が弱視であると考えられており、3歳児健診で4%は要精査、そのうち受診した中で弱視は14.6%であったとされる。弱視は不同視弱視が54%、屈折異常弱視が16%、斜視弱視と不同視弱視の合併が10%と言われており、合計すると弱視の80%に何らかの屈折異常を伴う。
1.屈折異常弱視
両眼性の屈折異常が原因で発症した両眼性弱視である。遠視では弱視になりやすいが、中等度近視では弱視になりにくい。固視は中心固視で、両眼視機能は保持される。
経線弱視
屈折異常弱視と区別されることもあるが、弱視を4つの分類に分けると屈折異常弱視に含まれる。強度乱視の未矯正により屈折異常が強い経線方向での網膜中心窩像が不鮮明であるために起こる。
2.不同視弱視
不同視が原因で発症した片眼性弱視である。弱視になりやすいのは遠視性不同視で、弱視眼が+2D以上で不同視差が2D以上の場合である。固視は中心固視で、両眼視機能は保持される。
3.斜視弱視
斜視が原因で発症した片眼性の弱視である。発症は片眼性の恒常性斜視や複視や混乱視を防ぐための斜視眼の抑制とされる。固視は偏心固視で、両眼視機能は不良とされる。
微小斜視弱視
斜視弱視と区別されることもあるが、弱視を4つの分類に分けると斜視弱視に含まれる。微小弱視に随伴する片眼性の弱視で、斜視角が約10Δ以下であり、原発性と続発性に分けられる。微小斜視弱視を発症する要因に遠視性不同視が挙げられる。
4.形態覚遮断弱視
形態覚刺激の遮断が原因で生じた片眼性または両眼性弱視である。形態覚遮断の原因は、先天白内障が代表的であり、角膜混濁や眼瞼下垂などもその原因として知られている。両眼性よりも片眼性の方が予後不良とされる。