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視覚障害は「認知症」のリスクファクター
- 視覚障害が存在すると認知症全体のリスクは35%↑、アルツハイマー型認知症は47%↑、血管性認知症は40%↑
- 加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症、白内障が全原因性認知症およびアルツハイマー型認知症のリスク増加と関連している
- ランセット認知症予防委員会が示した視覚障害による認知症リスクは2%。高血圧、運動不足、糖尿病、喫煙と同等。
- 白内障手術は認知症リスクの減少と関連
- 白内障手術を受けた患者群は、対照の未治療白内障群に比べて、長期的な認知機能の低下リスクを25%減少させる
- 正常な認知機能を持つ患者において、白内障手術は短期的に認知機能テストのスコアを4%改善。認知機能障害を持つ患者群では有意な改善はなし。
- 認知症群では白内障手術前後でMMSEのスコア改善はなく、MCI群では白内障手術によってスコアの改善があった
- Visual Impairment, Eye Diseases, and Dementia Risk: A Systematic Review and Meta-Analysis
- The Association Between Eye Disease and Incidence of Dementia: Systematic Review and Meta-Analysis
- Cataract Surgery and Cognitive Benefits in the Older Person: A Systematic Review and Meta-analysis
- Associations of cataract, cataract surgery with dementia risk: A systematic review and meta-analysis of 448,140 participants
- Impact of cataract surgery on cognitive impairment in older people
屈折矯正手術の現状
- 世界では角膜矯正手術が主流で、全体の8割前後を占め、残りが眼内レンズ関連術式である
- アメリカはLASIK、西ヨーロッパはSMILEとLASIKが同程度、中国や韓国ではSMILEが最も多い
- 日本はICLが7割を超える
エキシマレーザーによる手術
- PRKの術後、上皮下混濁(Haze)は術後1-3か月に出現することが多く、その後次第に減退する
- 上皮下混濁予防にはFM点眼が効果的で、術後4か月は行う(1か月まで4回/日、2か月目3回/日、3か月目2回/日、4か月目1回/日)。過剰な紫外線曝露もリスクとなる。
自己免疫網膜症(AIR)
- OCTで網膜外層障害の有無、HFA、網膜電図を確認する
- AIR患者では悪性腫瘍を合併することがある
- 上皮性悪性腫瘍/メラノーマの合併するAIRはそれぞれ癌関連網膜症/メラノーマ関連網膜症という
黄斑疾患の視機能
- ERMは約8割の患者が変死を訴える
- ERM患者のQOLの低下は、視力ではなく変視に関連する
- ERM手術により視力は健常レベルまで改善するが、変視を完全に消失させることは困難
- MHの変視:見ようとする対象が中心に引き込まれるように歪んで見える(求心性変視)
- MHは術前のfluid cuffが大きいほど術後の変視が強い
- BRVOもその9割以上が変視を呈する
- RD術後半年から1年で役割の症例に変視を認める
- 小視症:MH(約半数)、BRVO、DME、CSC、黄斑部毛細血管拡張症
- 大視症:ERM(約9割)
- RD術後6か月では、約40%の患者に不等視像
- MHでは約半数が小視症を呈し、円孔のサイズが大きいほど不等視像が大きく、手術により閉鎖すると不等視像はほぼ消失する