目に関するブログ

ドライアイとタバコとの意外な関係

ここ数日は生活習慣と目の病気にまつわるブログを上げてきました。特に、病気に関わる生活習慣と言えば”タバコ”であることは言うまでもありませんね。僕のブログでも

など、タバコが目に与える影響に焦点を当てた関す記事を書いてきました。今日はその第3弾です。今日のテーマはタイトルにもある通りで、

ドライアイとタバコとの意外な関係

です。テーマについて話す前にドライアイについて簡単に復習しましょう!

ドライアイとは

眼科医が説明するドライアイ』という記事でも説明しましたが、現在日本には800〜2,200万人、オフィスワーカーは33.3%がドライアイと言われています。

ドライアイは涙の量が不足したり、涙の質が悪くなると涙の層にムラができてしまいます。その原因はコンタクトレンズやパソコン、スマホなどが知らています。

ドライアイになると、目が乾いた感じがしたり、目に不快感を感じたりします。このような自覚症状と検査の結果とを合わせてドライアイと診断し、目薬などで治療をします。

その治療において、目薬での治療に加えて重要になるのが、原因を取り除くことです。原因については先ほども言ったように、コンタクトレンズやパソコン、スマホなどが多いですが、今回紹介する論文では「タバコもその原因の一つかもよ」ということが調べられています。

【2024年度版】眼科医がドライアイを徹底解説!オフィスで働く人の3人に1人がドライアイだと言われています。ドライアイの原因は約11種類あるとされており、その原因による治療が必要だとされています。ドライアイだから目薬をすればよいと思っているあなた、ぜひこの記事を読んで下さい。...

論文の内容

今日紹介する論文は、Li Xuらが2016年に発表した『Smoking and the risk of dry eye: a Meta-analysis(喫煙とドライアイのリスク:メタアナリシス)』です。早速結論から見ていきましょう。

This Meta-analysis suggests that smoking may associate with the risk of dry eye in general population.

つまり、「全世代間で喫煙とドライアイは関係するかもしれない」と述べています。

タバコを吸っているとドライアイのリスクはどの程度上がるのでしょうか。メタアナリシスの結果を見てみると、

There was no statistically significant relationship between current (OR=1.32; 95% CI: 0.99-1.76; P=0.055) or ever smoking (OR=1.12; 95% CI: 0.98-1.28; P=0.107) and the risk of dry eye among the studies, even when age and gender were adjusted (OR=1.16; 95% CI: 0.83-1.64; P=0.383). In the sensitivity analysis in which only general population were included, the association was significant between smoking and dry eye (OR=1.50; 95% CI: 1.08-2.09; P=0.016).

つまり、現在喫煙している人は1.32倍、喫煙したことがある人は1.12倍ドライアイのリスクがあるそうです。

ドクターK
ドクターK
「え、それは年齢や性別など何か他に原因があるからじゃないの?タバコを吸っているのは男性が多いイメージです。」

と思われた方は鋭いですね。ただ、この論文ではそれらを調節しており、調節しても喫煙はドライアイのリスクだったそうです。さらに、世代によらず喫煙はドライアイのリスクだったそう。

タバコは百害あって一利なしという感じですね。白内障の原因にもなるし、糖尿病網膜症の原因になったりします。

「タバコはストレスを解消するんだ」という方に「目が悪くなって受けるストレスをどんなものか想像したことはありますか?」と問いたいですが…ぜひ皆さんには禁煙していただいて、目も健康な人生を送っていただきたいと思っています。

参考文献

Int J Ophthalmol. 2016; 9(10): 1480–1486.

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