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Schnyder角膜ジストロフィの原因と疫学
常染色体優性遺伝でUBIAD1遺伝子が原因遺伝子だが、症例自体極めてまれである。UBIAD1はビタミンK2を合成する、プレニトルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の変異である。この変異は脂質代謝異常をきたし、角膜にコレステロールが沈着する。
Schnyder角膜ジストロフィの症状と所見
1.症状
10歳くらいまでに発症し、両眼性であるが、角膜混濁は比較的緩やかに進行するため、視力障害は年齢とともに増加する。
2.所見
円形、卵型あるいは輪状の細かい針状の結晶が蓄積した角膜混濁となる。初期に角膜中央部実質浅層に灰色の混濁を認め、20歳ぐらいから老人環様の輪部混濁を認める。 40歳以降になると老人環様の変化と中央部の灰色変化が角膜全層に進行するが、それらの間の角膜中間部の混濁は薄いままとなる。病理所見はオイルレッド染色で脂肪滴が赤く、電子顕微鏡では角膜実質に空胞形成を認める。
(左上)角膜全体像(右上)結晶状角膜混濁(下)オイルレッド染色像
全身合併症として高脂血症、外反膝などがある。
Schnyder角膜ジストロフィの診断
確定診断には遺伝子検査が有用である。
Schnyder角膜ジストロフィの治療
進行例であれば深層層状角膜移植あるいは全層角膜移植を行う。脂質の沈着は中間層よりも深層に見られるケースも多いのでPTKの良い適応とは言えない。
参考文献
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