結膜とその疾患

輪部デルモイド

輪部デルモイドとは

角膜、輪部、結膜に生じる分離腫で、充実性の良性腫瘍である。特に、輪部デルモイドが最も多く、下耳側輪部に好発する。発症は突発性であり、出生時より片眼性にみられ、大きさは直径3~10㎜程度である。

デルモイドは内容が毛髪(腫瘍表層)、皮膚、歯などの外胚葉由来の組織、あるいは脂肪組織、軟骨などの中胚葉由来の組織からなる。組織学的には角化した扁平上皮の下に膠原繊維が充満している。

輪部デルモイドでは副耳や耳瘻孔などの耳の異常、下顎骨低形成、脊柱の異常を合併することがあり、これをGoldenhar症候群という。

輪部デルモイドの治療

角膜乱視を生じていれば乱視矯正を行い、角膜中央部まで及ぶことがあれば早期手術の適応となる。デルモイドの単純切除だけでは再発や偽翼状片が高頻度にみられ、また、角膜実質に及ぶ場合は、切除で角膜菲薄化を誘発するため、表層角膜移植を併用することがある。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. 眼科学第2版

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