目の病気

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)とは

原発閉塞隅角緑内障は、他の明らかな原因がなく、遺伝的背景、加齢による前眼部形態の変化などによって隅角閉塞が生じる。その結果、眼圧が上昇し、緑内障性視神経症に至る病態である。

そして、急性原発閉塞隅角緑内障は、急激かつ高度が眼圧上昇をきたした状態で、早急な処置を行わなければ不可逆的な視神経障害をきたすとされている。

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)の原因

浅前房、短眼軸長、比較的厚く、かつ前方に位置する水晶体などが原因となっている。これらは全て遠視眼に見られることが多いほか、高齢者に好発することも知られている。

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)の症状

1.自覚症状

視力低下、霧視、光視症、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐など

※自覚症状に乏しい症例もあり!

2.他覚所見

  • 高眼圧(40-80mmHg)

細隙灯顕微鏡にて、

  • 角膜浮腫
  • 結膜および毛様体充血
  • 高度浅前房
  • 中等度瞳孔散大
  • 前房内炎症

隅角鏡にて、

  • 広範な隅角閉塞

眼底検査にて、

  • 乳頭浮腫
  • 静脈うっ滞
  • 乳頭出血

などを認めることがある。

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)の診断

隅角検査、屈折検査、眼底検査、僚眼の検査、問診などを十分に行い、上記の他覚所見を確認する。可能であれば超音波生体顕微鏡(UBM)や前眼部OCTでも有用な情報を得ることができる。

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)の治療

急性期では瞳孔ブロックの解除眼圧上昇に伴う炎症の沈静化がメインとなる。レーザー虹彩切開術などにより後房と前房の交通を回復するが、眼圧上昇が続くと角膜浮腫によりレーザー虹彩切開術が困難になる場合がある。その際は高浸透圧薬である程度眼圧を下げ、その後処置を行うと良い。薬物療法で眼圧下降できない場合には、周辺部虹彩切除などを行う。

1.薬物治療

A. 高浸透圧薬の点滴静注

マンニトールグリセオールを用いて眼圧下降を図る。20%マンニットール溶液1回1.0~3.0g/kgを30~45分で点滴静注するが、腎不全の副作用があるため、患者さんに腎機能障害がないかを確認する必要がある。一方のグリセオール®は、300~500mlを45~90分かけて点滴静注する。このグリセオール®は代謝の過程でぶどう糖を産生するため、糖尿病の方に使う際は注意が必要である。

B. 縮瞳点眼薬

1%または2%ピロカルピン塩酸塩を20~30分間隔で点眼する。高眼圧で瞳孔括約筋が麻痺し、対光反射が消失している場合は縮瞳効果は期待できない。逆に、毛様体前方移動により瞳孔ブロックが増強されることがあるので、点眼開始したら縮瞳効果があるかを確認すべきである。

※AとBで眼圧下降が乏しければ、通常の緑内障治療と同様点眼加療で降圧を図る。

2.外科的治療

A. レーザー虹彩切開術

角膜が十分に透明な状態で行うべきである。レーザー虹彩切開術を角膜が不透明な状態でやると、角膜内皮障害や水疱性角膜症のリスクになりうる。アルゴンレーザーは照射総エネルギー量が大きくなるため、アルゴンレーザーとYAGレーザーを併用する、あるいはYAGレーザー単体で行うことが一般的になっている。

B. 周辺部虹彩切除術

薬物治療で眼圧下降が得られず、角膜内皮細胞の障害が懸念される場合には、周辺部虹彩切除術が選択されるべきである。

C. 水晶体摘出術

白内障手術に熟練した医師であれば水晶体摘出術が1つの選択肢となる。

急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)の予後

早期に眼圧下降させることができれば、視野異常等を起こすことも少なくない。しかし、各処置後も軽度~中等度の高眼圧が残存することがあり、その場合には慢性原発閉塞隅角緑内障に準じた加療を行う。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

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