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前眼部OCT(AS-OCT)とは
涙液・角膜・虹彩・水晶体前面・隅角・強膜の断層像から、前眼部疾患、生体計測、角膜形状分析を行える装置である。
よって、前眼部OCTの対象となるのは
- 前眼部疾患
- 屈折矯正手術や角膜手術の術前後
- 隅角や濾過胞の観察
に用いられる。
前眼部OCT(AS-OCT)の特徴
特徴として、
- 侵襲がない
- 短時間で測定できる
- 高波長なので羞明を感じない
- 再現性が高い
- 高解像度
- 混濁、形状不整、涙液の影響を受けにくい
- 暗証でも撮影可能
などが挙げられる。
前眼部OCT(AS-OCT)の判定
1.角膜手術(移植など)の術前後評価
前眼部OCTは角膜混濁があっても画像化可能なので、術前評価で非常に有効である。
術前の隅角や虹彩前癒着を観察し、切開創やサイドポートの位置等を決定する。また、術中の虹彩前癒着解除、虹彩損傷のリスク軽減に有用である。
角膜内皮移植術前では前房深度や前房容積の評価が重要である。前眼部OCTはそれらも評価可能であり、術式決定に役立つ。また、角膜厚マップもあり、菲薄部位も直感的に分かりやすい。
術後は角膜形状分析、グラフトホスト接合部の観察、角膜浮腫の定量、深層角膜移植での残存実質厚計測などに用いられる。
2.角膜形状分析
前眼部OCTは組織後方の散乱光を検出し、各断層像から角膜前面形状や裏面形状を検出している。そのため、浮腫や混濁、不整形状があっても測定可能となる。
3.隅角評価
相対的瞳孔ブロックやプラトー虹彩などが観察できる。ただし、水晶体、Zinn小帯、毛様体は観察できないため、水晶体に起因する隅角閉塞の評価などには超音波生体顕微鏡(UBM)を用いる。
4.濾過胞評価
bleb modeで撮影すると、濾過胞を観察できる。
5.涙液評価
Meniscus modeで撮影すると、涙液三角の断層像が得られ、ドライアイや流涙症の定量的
前眼部OCT(AS-OCT)商品
TOMEYから『CASIA2 Advance』、ハイデルベルグから『アンテリオン』が発売されている。
参考文献
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