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アトピー性角結膜炎とは
アトピー角結膜炎は顔面にアトピー性皮膚炎(AD)を伴う患者に生じることが多い角結膜炎である。ときに巨大乳頭(径1㎜以上の乳頭)のような増殖変化を認めることがある。似た疾患として春季カタルがあるが、春季カタルは成長に伴って寛解するが、アトピー性角結膜炎は成人を過ぎても遷延化することが多い。
アトピー性角結膜炎の症状
痒み、充血、眼脂、流涙などを主訴にする。さらに、角膜障害を合併すれば異物感、眼痛などを認める。
アトピー性角結膜炎の所見
アトピー性皮膚炎患者では結膜組織におけるアレルギー反応が強いため、好酸球やリンパ球、コラーゲンからなる乳頭増殖が発生する。また、結膜の線維化や角膜の新生血管・混濁、重症例では瞼結膜に石垣状の巨大乳頭増殖が形成される。慢性化すると、結膜嚢短縮や瞼球癒着がみられることもある。
血清や涙液中総IgE抗体の増加、血清抗原特異的IgE抗体は高率に陽性となる。結膜での好酸球陽性率も高い。
アトピー性角結膜炎の併発症・合併症
アトピー性眼瞼炎、円錐角膜、白内障、網膜剥離、角膜ヘルペス、ドライアイなどを合併する。また、アトピー素因による易感染性から発症する伝染性膿痂疹、カポジ水痘様発疹症、伝染性軟属腫などがある。
アトピー性皮膚炎に伴う眼科アトピー性皮膚炎を患う患者さんは多くいます。特に罹病期間が長く、皮疹が頭部・顔面付近だと眼合併症の患者数は増加する傾向にあります。この記事ではアトピー性皮膚炎に伴う眼科疾患について解説しています。アトピー性皮膚炎に伴う眼科疾患について知りたい方は必見です。...
アトピー性角結膜炎の治療と予後
治療はアレルギー性結膜炎と同様で、巨大乳頭がある場合は春季カタルと同様の治療をする。アトピー性角結膜炎の病勢は顔面のアトピー性皮膚炎の症状に一致することが多い。
重症アトピー性皮膚炎の治療には、IL-4受容体α鎖抗体(デュピルマブ)投与やシクロスポリン内服が行われることがある。デュピルマブに関しては、アトピー性角結膜炎に対する治療効果のみならず、結膜炎併発リスクが知られている。
参考文献
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