目の病気

アトピー性皮膚炎に伴う眼科

アトピー性皮膚炎と眼科

アトピー性皮膚炎は「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒感のある湿疹を主病変とする疾患で、患者の多くはアトピー素因(家族にアトピー性皮膚炎がいる、既往歴に喘息などがある)を持つ」と日本皮膚科学会では定義されている。特に、罹病期間が長く、皮疹が頭部・顔面付近だと眼合併症の患者数は増加する傾向にある。

アトピー性皮膚炎に伴う眼合併症一覧

  • 眼瞼炎:有病率不明
  • 角結膜炎:有病率32.0%~67.5%
  • 円錐角膜:有病率0.5%~3.3%
  • 白内障:有病率4~20%
  • 網膜剥離:有病率2.1~3.3%

アトピー性皮膚炎に伴う眼瞼炎

軽度であればプロペト眼軟膏で保湿を行い、中等度~重症になればステロイド眼軟膏を1日2回程度使用する。この時、フラジオマイシン硫酸塩含有のものは接触皮膚炎を生じやすいので避ける。また、ステロイド使用時は結膜嚢内にステロイド剤が迷入すると眼圧上昇を引き起こすことがある。

ステロイド眼軟膏で改善しないときは0.03%あるいは0.1%プロトピック軟膏を1日1~2回使用することがある。しかし、びらんが強いと熱感や刺激感により継続が困難な症例もある。そのため、ステロイド眼軟膏で皮膚の状態を良くしてからの使用が望まれる。また、改善した後は急に中止せず、1週間に2日程度1日1回塗布を続けるプロアクティブ療法が再燃の頻度を減少するとされる。

アトピー性皮膚炎に伴う角結膜炎

思春期以降に発症し、季節による変動はないため季節性アレルギー性結膜炎と区別する。球結膜・瞼結膜の充血・肥厚、瞼結膜の乳頭所見は時に春季カタルのようになることがある。さらに、角膜浸潤、混濁、潰瘍などを認めることもある。治療は抗アレルギー点眼薬に加えて、適宜ステロイド点眼薬を使用する。一方、高額ではあるがステロイドの副作用を考慮して、免疫抑制剤のシクロスポリンやタクロリムスも有効とされる。

アトピー性皮膚炎に伴う円錐角膜

発症は16~22歳で、皮膚炎が悪化すると円錐角膜も悪化するハードコンタクトレンズ(HCL)により矯正を試みるが、矯正が不可能な場合は角膜移植の適応となる。

円錐角膜画像

アトピー性皮膚炎に伴う白内障

乳幼児には発症せず、思春期~青年期に生じる。水晶体はヒトデ状あるいはクローバ状の前嚢下混濁や後嚢下混濁を呈する。進行が急な場合もあり、数カ月で高度視力低下をきたすこともある。また、白内障治療のため白内障手術を行うが、術後における網膜剥離の発症頻度は通常の加齢白内障に比べて高いことが知られている。

アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離

特徴は10~20歳代が大半で、鋸状縁断裂、毛様体扁平部裂孔の頻度が高い(特に耳側)とされる。発症年齢が若いため進行は遅く、扁平剥離が多いとされるが、胞状・全剥離も存在する。治療は年齢等を考慮して強膜内陥術あるいは硝子体手術を施行する。また、前述の通り、白内障合併も高率であるため白内障手術も併せて行うことがある。

参考文献

  1. クオリファイ5全身疾患と眼(専門医のための眼科診療クオリファイ)
  2. 今日の眼疾患治療指針 第3版

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ドクターK
オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!