緑内障

発達緑内障

発達緑内障とは

先天的な隅角の発達異常により眼圧上昇をきたし、緑内障となっている状態である。発達異常の部位が主に隅角に限局しているものと、他の部位の発達異常を伴うものがある。

1.早発型発達緑内障

3歳以下に発症する発達緑内障である。以前は原発先天緑内障と呼ばれていた。発症頻度は10000-32000人に1人で、男児に多く、両眼性のことが多い。

主な所見

典型例は眼圧上昇による角膜径拡大牛眼という。正常新生児9.5-10.5mm、1歳で11-12mmである。1歳以下で12mm以上の場合は注意する。、角膜浮腫、Descemet膜破裂(所見はHaab’s striaeという。この所見があると術後視力発達不良となる。)、虹彩軽度萎縮を認める。眼圧は一般的に高く、隅角は分化不全を示す。虹彩の付着部位の異常が代表的とされる。視神経乳頭は成人より陥凹が深く、同心円状の拡大が特徴的とされる。

その他所見

1.前房深度

前房深度は浅いのが正常で、成人のように深々している場合は異常である。

2.眼圧測定

小児の眼圧は催眠下や全身麻酔下であるため、成人の値よりも低くなる。そのため、正常上限は21mmHgではなく、15mmHgとするのが良い。

3.隅角検査

角膜混濁のため透見できないこともある。正常乳幼児では、隅角はやや狭く、recess形成はない。線維柱帯は成人より平滑で透明である。一方で、早発型発達緑内障では、隅角底が広くて深く、虹彩付着異常を伴うことが多い。

4.眼軸長

眼軸長に左右差があれば、長眼軸眼の視機能発達は不良となりやすい。

5.視神経乳頭

陥凹拡大の有無を観察する。治療効果があれば陥凹は小さくなることが多い。

角膜実質よりもDescemet膜は弾性が低いため、伸展力に耐えられず破裂し、その結果角膜実質浮腫、角膜混濁となる。

Descemet膜断裂の鑑別

鉗子分娩による断裂:左眼に好発し、眼球の垂直経線方向に走る。

Haab’s striae:輪部に対して同心円状、水平・垂直方向など、どのような走行も取りうる。

治療

薬物治療は無効なため、診断したら早急に手術加療(線維柱帯切開術or隅角切開術)を行う。いずれにせよ眼圧コントロールは80%程度である。

線維柱帯切開術は角膜混濁があってもできるが、将来的に線維柱帯切除術が困難になる点、強膜壁画菲薄化し穿孔しうる点などが課題になる。一方で、隅角切開術は角膜混濁があると行えないが、Schlemm管の同定が不要で、結膜温存可能であるメリットがある。

2.遅発型発達緑内障

隅角形成異常が軽度なため発症が遅れることに加えて、末期まで自覚症状がないこともあり、片眼性の場合は特に発見が遅れてしまう。

診察所見は早発型とほとんど同様だが、角膜径は正常、Haab’s striaeがない、前房深度は深い点が異なる。

治療は成人の開放隅角緑内障に準じて行うが、薬物治療は反応性が悪いことも多い。初回は下方からの線維柱帯切開術を行うのが良いとされる。

3.他の先天異常を伴う発達緑内障

無虹彩症、Sturge-Weber症候群、Axenfeld-Rieger症候群などがある。

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参考文献

  1. 眼科学第2版

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