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隅角分離不全症候群 | オンライン眼科
角膜とその疾患

隅角分離不全症候群

隅角分離不全症候群とは

発生学的に隅角の分離不全によって起こると考えられた発生異常を指す。隅角異常の他に、角膜や虹彩の異常を合併する

隅角分離不全症候群の病型

1.Axenfeld-Rieger症候群

Schwalbe線(後部胎生環)の突出・肥厚・前方偏位がみられ、周辺部虹彩がその部位に付着する先天異常をAxenfeld異常という。常染色体優性遺伝(PITX2遺伝子異常など)である。

さらに、虹彩実質の形成不全によって虹彩異常・萎縮、瞳孔異常(偏位や偽多瞳孔)、ぶどう膜外反を合併したものをRieger異常という。

また、鞍鼻、両眼隔離、上顎発育不全など全身症状を有するものをRieger症候群という。これらを合わせてAxenfeld-Rieger症候群という。通常は両眼性で、高率に緑内障、白内障や水晶体位置異常を合併する

2.Peters異常

Peters異常は角膜中央部の角膜内皮、Descemet膜、角膜実質の一部が欠損した状態である。常染色体劣性遺伝でB3GALTL遺伝子変異が報告されている。

両眼性で、角膜後部欠損部に一致した中央部の角膜混濁・菲薄化が主体である。また、角膜虹彩間癒着や角膜水晶体癒着をしばしば伴う。白内障、緑内障、小眼球を40~70%に合併し、1/3の症例は骨格異常、口唇・口蓋裂などの全身異常を伴う。この全身症状を合併したものをPeters plus症候群と呼ぶ。

軽症例では次第に軽減することが多い。重症例では角膜全体が前方へ突出する前部ぶどう腫を呈する。治療は全層角膜移植を行うこともあるが、拒絶反応も多く、視力予後は不良である。

隅角分離不全症候群の診断

先天性の角膜中央部病変、虹彩、水晶体異常から診断する。

隅角分離不全症候群の治療と予後

角膜混濁は眼圧正常であれば多少改善し、角膜移植術を施行しても経過は不良であることから幼児期の角膜移植は通常行われない。緑内障に対して薬物治療を行っても効果が乏しく、線維柱帯切開あるいは切除術を行っても眼圧コントロールは困難な予後不良例が多い

Axenfeld-Rieger異常

隅角が開放していて、PASによる線維柱帯の被覆範囲が広くなければ、隅角手術を選択する。

Peters異常

緑内障に対しては、良好な術後眼圧は1/3の手術しか得られない。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. 眼科学第2版
  3. 前眼部形成異常の診療ガイドライン
  4. 緑内障診療ガイドライン(第5版)

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