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外傷性視神経障害とは
従来、外傷性視神経障害あ視神経管あるいは視束管骨折がその主因で、X線上視神経管骨折や視神経管の変形を伴うものと考えられてきた。しかし、視神経管骨折がなくても、前頭部や前額部、特に眉部を強打しても視神経障害をきたす症例が報告される。実際に、画像検査で変形が認められる症例は少ない。通常は受傷部位と同側の視力・視野障害をきたす。両側性の場合は視交叉部など、他の部位の損傷を考慮する必要がある。
外傷性視神経障害の診断
相対的瞳孔求心路障害(RAPD)(=点滅対光反射試験、Marcus Gunn瞳孔)が診断に最も重要とされる。光量としては、ペンライトなどの弱めの光の方がよい。RAPDについては下記記事を参考にしてください。
相対的瞳孔求心路障害(RAPD、Marcus Gunn瞳孔)この記事ではそんな相対的瞳孔求心路障害(RAPD、Marcus Gunn瞳孔)について解説しています。相対的瞳孔求心路障害(RAPD、Marcus Gunn瞳孔)について知りたい方は必見です。...
また、初期には視神経乳頭は正常だが、数間後から蒼白化が起こってくる。骨折も視神経管部に限局せず、頭蓋骨や顔面骨骨折に伴う場合が多い。
外傷性視神経障害の治療
受傷後24~48時間以内に診断をつけ、視神経実質内の浮腫の軽減、消退を迅速かつ的確に行う必要がある。
- ステロイドパルス療法(プレドニンで1000㎎)を2~3日間
or - 大量ステロイド(プレドニゾロンで80~100㎎)と高張浸透圧薬(グリセオール®、D-マンニトール300~500ml)を3~7日間
その後の漸減については視力等経過から判断する。受傷後数週経過したものに対しても、ステロイドパルス療法を試みるが、視機能が安定するまでに1年ほど経過を見ることもある。なお、骨折があれば内視鏡下経篩骨洞視神経減圧術など手術を考慮する。
受傷後治療開始までの時間が経つほど予後不良であ回復機能の完全回復は不可能で、特に視野障害は残るとされる。
参考文献
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