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特発性脈絡膜新生血管とは
通常は50歳以下の片眼性で、脈絡膜新生血管を生じたもののうち、加齢、近視、外傷、感染、網膜色素上皮などの原因ががあるものを除外して診断される病気である。典型的には傍中心窩または中心窩下に生じるGass分類で、Ⅱ型の比較的小さい脈絡膜新生血管となる。
特発性脈絡膜新生血管の検査所見
1.眼底検査
網膜下に黄白色の病巣を認め、周囲に漿液性網膜剥離や出血を伴うことがある。時間が経つと、黄白色の病巣は褐色に近い色となる。最終的には、色素沈着を伴った小さい網膜色素上皮の隆起として観察される、瘢痕組織を残すようになることが多い。
2.蛍光眼底造影検査(FA)
Classic CNV型の所見を呈することが多い(早期から過蛍光を認め、徐々に強い蛍光漏出となる)。瘢痕期では線維性瘢痕組織の染色による過蛍光、網膜色素上皮の萎縮を伴う場合はwindow defectによる顆粒状の過蛍光を示す。
3.インドシアニングリーン蛍光造影(IA)
早期に脈絡膜新生血管が描出されることもあれば、そうでないこともある。造影後期には組織染として過蛍光が観察される。
4.光干渉断層計(OCT)
網膜色素上皮の不連続と、その上に中等度反射を示す新生血管がある。これに加えて、滲出性網膜剥離や黄斑浮腫などの変化が見られる。瘢痕期には網膜下病変は退縮し、網膜色素上皮層が再び連続して描出されるようになり、網膜色素上皮下に中等度~高反射の領域として観察される。
特発性脈絡膜新生血管の治療
自然経過で退縮もあり、治療への反応も良好とされる。予後は一般に悪くないとされる。特に若年で、新生血管のサイズが小さいものは予後が良い。治療を行うとすれば下記を行う。また、自然経過で脈絡膜新生血管が収縮し、固くなったような外観を呈すことがある。これは網膜色素上皮の囲い込みと言われる現象である。造影検査上、CNV周囲にdark rimと呼ばれる所見がみられることは病変が沈静化し予後の良いサインである。
選択される治療
- 抗VEGF薬硝子体注入(効果も確実で副作用も少ない)
- 光線力学療法(PDT)
- ステロイド内服 or Tenon嚢下注射
- 網膜光凝固術
参考文献
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