眼科で行う治療

眼科でよく処方される点眼薬について

こんにちは!doctorK先生と一緒に記事を書かせていただいています、めめめ(TwitterID@ophthalmicgamer)と申します。関東で眼科医をしています。今回は眼科でよく処方される点眼薬についての話題です。困ったときに簡単な辞書的に使っていただければと思います。

「入院してきた患者さんの持参点眼薬が多すぎ!」「何に対して使っているの?」「院内採用がないけど、継続が必要なの?」など内科・外科の先生のお問い合わせをよく受けるので、よく処方される点眼についてまとめました(カッコ内は一般名です)。

角膜治療薬

ヒアレイン・ティアバランス(ヒアルロン酸ナトリウム)、ジクアス(ジクアホソルナトリウム)、ムコスタ(レバミピド)

 いわゆるドライアイ治療薬です。ここに記載したものでは、ヒアレインミニ、ティアバランス、ジクアス、ムコスタの名前の点眼薬はコンタクトレンズの上からでも使用できます。

抗炎症薬(NSAIDs)

アズレン・AZ(アズレンスルホン酸ナトリウム水和物)、プロラノン・ニフラン(プラノプロフェン)、ブロナック(ブロムフェナク)、ネバナック(ネパフェナク)

 主に結膜炎などの外眼部の炎症に対して使われます。ブロナックとネバナックに関しては白内障術後に使用されることがあります。

抗炎症薬(ステロイド)

フルメトロン・オドメール・フルオメソロン(フルオロメトロン)、サンテゾーン・D・E・X(デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム)、リンデロン・サンベタゾン・リンベタ(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム)

<作用による分類・代表例>

強ステロイド:リンデロン0.1%

中ステロイド:リンデロン0.01%、フルメトロン0.1%

弱ステロイド:フルメトロン0.02%

それぞれ濃度別に販売があります(0.02%、0.1%など)。強ステロイドを1日数回使用している患者さんはぶどう膜炎や強膜炎など比較的重症な眼科疾患があるかもしれません。

ビタミン剤

サンコバ・ソフティア・ビタコバール(シアノコバラミン)

 眼精疲労、いわゆる疲れ目に対してよく処方されます。視力予後にかかわる疾患に対しての治療薬としては使われませんので、入院中処方が難しければ中止で全く問題ありません。

ここまでに記載したものは、本当に治療として必要で処方されている場合ももちろんありますが、残念ながら「なんだかごろごろする」「なにか点眼したい」という患者さんに対して漫然と処方されている場合が多いです(特にヒアレインやプロラノン、弱ステロイド)。高齢者の点眼薬が多い原因の一つです。

白内障治療薬

カタリン・カリーユニ(ピレノキシン)、タチオン(グルタオン)

白内障治療薬、とはいうものの、白内障が治るわけではなくあくまで進行を遅らせるものです。また、数週間点眼しなかったから急激に白内障が進むということもありませんので、入院中に処方が難しければ中止で構いません。

抗菌薬

クラビット(レボフロキサシン)、オフロキシン・タリビッド(オフロキサシン)、ガチフロ(ガチフロキサシン)、ベストロン(セフメノキシム塩酸塩)、オゼックス・トスフロ(トスフロキサシントシル酸塩水和物)、ベガモックス(モキシフロキサシン塩酸塩)

結膜炎や角膜炎をはじめとする細菌性感染に対して使用されますが、こちらも残念ながら「ごろごろ」「めやに」に対して漫然と使用されていることが多いのが現状です。耐性菌問題がありますので期間を決めて使用しましょう。

抗アレルギー薬

パタノール(オロパタジン塩酸塩)、アレジオン(エピナスチン塩酸塩)、リザベン(トラニラスト)、ゼペリン(アシタザノラスト)、リボスチン(レボカバスチン塩酸塩)、ザジデン(ケトチフェンフマル酸塩)

かゆみを伴うアレルギーなどに対する点眼薬です。アレジオンはコンタクトレンズの上から使用できます。

目的に合わせて正しく使用してください。よくわからない場合は眼科医に相談をお願い致します。それではまた次の記事でお会いしましょう。

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