網膜とその疾患

白点状網膜症

ドクターK
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・白点状網膜症ってどんな病気なの?

と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。

白点状網膜症とは

早期発症で網膜色素変性に類似した進行性の網膜変性をきたし、高度視野狭窄を呈する疾患である。眼底に無数の小白点があり、白点状眼底との鑑別が重要とされる。

白点状眼底この記事では遺伝性夜盲の一つである白点状眼底について解説しています。白点状眼底について知りたい方は必見です。...

全網膜色素変性の0.5%、常染色体劣性および孤発性の網膜色素変性の1%は本疾患であるとされる。

網膜色素変性症嶋津雄大選手や宇多田ヒカルのお母さんである藤圭子さんが網膜色素変性症と診断されているようです。網膜色素変性症は日本では3000~8000人に1人の割合で発症し、成人視覚障害原因の第3位として知られています。まれな病気ではありますが、正しく理解しておくのが良いと思って記事にしました。網膜色素変性症について知りたい方は必見です。...

多くは常染色体劣性遺伝であり、原因遺伝子はRLBP1である。RLBP1はCRALBPをコードし、それは網膜色素上皮細胞やMuller細胞の視サイクルに関与している。RLBP1に変異があれば、視物質の再生が正常に行われない。そのため、暗順応が延長し、患者は夜盲を訴える。

白点状網膜症の症状と所見

幼少期から20歳代までに夜盲の症状を発症することが多く、青年期頃より傍中心暗点が出現する。その後、徐々に暗点は求心性及び周辺へ拡大し、視野狭窄や視力低下の症状を訴える。眼底検査にて小白点が網膜に出現し、黄斑部にもその小白点が及ぶことから白点状眼底と鑑別できる

また、白点状眼底では網膜の色調は良好とされるが、白点状網膜症では網膜の色調が不良であることが多く、網膜色素変性症の初期像に類似している。病期が進行すると網膜血管は狭細化する。

白点状網膜症の診断

眼底所見と網膜電図が重要である。網膜電図では、網膜色素変性症に類似した振幅の減弱が見られるが、特に杆体反応が顕著に減弱する。また、白点状眼底とは異なり、暗順応時間を延長しても杆体反応は回復しない。光干渉断層計(OCT)では黄斑部網膜は菲薄化し、網膜外層の構造に異常がある。

網膜電図(ERG)網膜電図(ERG)は前眼部・中間透光体が混濁して眼底が透見できない疾患の網膜機能など、様々な疾患に有用な検査です。この記事ではそんな網膜電図(ERG)について解説しています。網膜電図(ERG)について知りたい方は必見です。...

白点状網膜症の治療

現在、有効な治療法はないが、患者の症状に応じた対応を行うことが重要とされる。

参考文献

  1. 今日の治療指針第3版

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