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オートレフラクトメータの目的
オートレフラクトメータは近視、遠視、乱視など屈折異常を他覚的に定量化する。自覚的屈折検査の参考値として使われることが多い。その他にも、調節介入の程度を軽減できる両眼開放型や、高次収差、眼圧、測定できる機種も存在する。座位で計測する据置型と、手持ち型がある。
オートレフラクトメータの原理と特徴
明室で短時間に比較的再現性の良い結果が得られる。器械を覗き込むときに調節介入が生じ、自覚的屈折検査に比べて結果がマイナス側に出やすい。また、下記の場合は測定できないことがある。
- 強い中間透光体混濁
- 固視不良
- 球面度数±20D、円柱度数±10Dを超える屈折度
- 測定可能最小瞳孔径(2.0~2.5㎜程度)未満
オートレフラクトメータの検査法
据置型の手順
被検者に、顎を奥に付けるようにして顎台に乗せ、額当てに額を軽く接触させるよう指示する。ジョイスティックを操作して、照準を合わせたら撮影する。
下記の点に注意して撮影を行う。
- アライメントと頭位固定:上下左右、フォーカスの照準ずれ、顎と額がしっかりと固定されていないと、再現性が低下したり、屈折度に影響を与える。
- 固視:視標の中心を固視していないと、周辺屈折を計測していることになり誤差を生じたり、再現性が低下したりする。
- 涙液:涙液が不整あるいは破綻した状態で計測すると、乱視度や軸に影響を与えることがある。測定ごとに軽い瞬目を促し、素早く測定すると良い。
- 上眼瞼および睫毛:測定領域にかかると、乱視度や軸に影響を及ぼすことがある。その際は圧迫しない程度に上眼瞼を挙げて計測する。
- 瞳孔径:調節と瞳孔は連動しており、測定前の瞳孔径に変動が見られれば、他覚屈折値も変動している可能性が高い。よって瞳孔径の変化が小さくなった時点で測定を行うと良い。
オートレフラクトメータの判定
オートレフラクトメータの2回計測の再現性は、等価球面値で0.25~0.75D程度で、1.0以上変動するなら再測定を行うと良い。
角膜や水晶体などの形状や屈折率が変化したり、眼軸長が変化したりすると屈折度数が変化する。白内障のうち、核白内障が進行すると核と皮質の屈折率差が増加するため近視化し、皮質白内障が進行すれば遠視化する。
参考文献
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