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視野検査
1.Goldmann視野計
Goldmann視野計の目的
視野の全体像を把握するために用いる。
Goldmann視野計の対象
下記疾患が対象となる。
- 緑内障・視神経炎などの視神経疾患
- 網膜色素変性症
- 下垂体腫瘍・後頭葉脳梗塞などの頭蓋内疾患
など
Goldmann視野計の原理と特徴
眼球から30㎝の距離にあるドーム状の投影面に、様々な大きさ・輝度の光を視標として投影し、それが見えたらブザーを押して検者に知らせ、その範囲を測定する。
網膜への刺激強度を正確に決定できるので、結果の再現性が高いが、中心2度以内の中心視野はその構造上の理由で、特殊な方法を用いる必要がある。
視標の大きさ
Goldmann視野計視標 | 投影面での面積(㎜²) | 視角で表した平均直径(度) |
0 | 1/16 | 0.05 |
Ⅰ | 1/4 | 0.11 |
Ⅱ | 1 | 0.22 |
Ⅲ | 4 | 0.43 |
Ⅳ | 16 | 0.86 |
Ⅴ | 64 | 1.72 |
Goldmann視野計視標の明るさ
明るさはフィルターを挿入して調節し、4・3・2・1で5dB、e・d・c・b・aのフィルターで1dBずつ減光できる。
Goldmann視野計の検査法
視標はまずⅤ-4を用い、イソプターを描き終えたら、より小さく暗い視標へと変更していく。Ⅰ-4でイソプターを描いたら、同じ指標でマリオット盲点を描出する。
Goldmann視野計の判定
Goldmann視野は特に半盲の検出に威力を発揮する。
2.自動視野計(Humphrey視野計)
Humphrey視野計の目的
検者の技量によらず、定量的な視野検査やスクリーニング視野検査を行うことができる。
Humphrey視野計の対象
下記疾患が対象となる。
- 緑内障・視神経炎などの視神経疾患
- 網膜色素変性症
など
垂直半盲の検出には、左右差が2dB以上の点が上下に連続して3個以上一方が低い場合、さらにその横の対の数値を比較し、同様の基準を満たす場合、有意としている。
耳側半盲の検出には、正中線に沿って耳側に2dB以上の感度低下が連続4対、もしくは3dB以上の感度低下が連続3対あれば、有意なvertical temporal stepであると定義している[2]。
Humphrey視野計の原理と特徴
Humphrey視野計は比較的短時間で行うことが最大の特徴である。
Humphrey視野計の判定
固視不良、偽陽性、偽陰性、ゲイズトラックなどを検査信頼度の指標として用いる。
単一視野検査の判定には下記を用いる。
- グレースケール:視野全体の状況をイメージてきにとらえることができる。
- トータル偏差(TD):視野計に内蔵された年齢別正常値との差を表す。
- パターン偏差(PD):縮瞳・白内障などの影響を除き局所的な視野沈下を強調する。
- 緑内障半視野テスト(GHT)
- 平均偏差(MD)
- パターン標準偏差(PSD)
- VFI
参考文献
- 今日の眼疾患治療指針第3版
- N Fujimoto et al : Criteria for early detection of temporal hemianopia in asymptomatic pituitary tumor. Eye (Lond) 16:731-8,2002
- あたらしい眼科 Vol.39, No.8, 2022
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