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眼表面扁平上皮新生物とは
眼表面扁平上皮新生物(OSSN)の中に、角結膜上皮内新生物(CIN)と扁平上皮癌があり、CINの中に異形成、上皮内癌(CIS)がある。CINは異型細胞が上皮細胞層にとどまるもので、SCCは基底膜を越えて浸潤したものである。
眼表面扁平上皮新生物の所見
眼瞼結膜、球結膜から発生する乳頭状の腫瘤性病変として観察される。腫瘍表面が異常角化(leukoplakia)すると白色のプラークを呈する。腫瘍内には打ち上げ花火状の微細な蛇行血管が放射状に配列している所見を認めることが多い。腫瘍に流入する栄養血管はやや太くなる。乳頭腫が有茎性であるのに対して、広基性であることで鑑別することができる。また、乳頭腫や肉芽腫、霰粒腫はSCCと比べて柔らかい。
眼表面扁平上皮新生物の疫学
好発年齢は結膜扁平上皮癌が70歳代、CINが60歳代である。好発部位はCINが角膜輪部付近、SCCは輪部および瞼結膜に生じる。
眼表面扁平上皮新生物の危険因子
- 紫外線への曝露
- ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
- 後天性免疫不全症候群(AIDS)
- 免疫抑制薬投与など免疫抑制状態
眼表面扁平上皮新生物のAS-OCTの所見
OSSNでは結膜扁平上皮癌から正常結膜への急峻な変化(abrupt transition)が見られる。
眼表面扁平上皮新生物の病理学的所見
正常結膜は上皮と間質で構成されている。その結膜上皮は重層扁平上皮と円柱上皮で構成されている。角膜輪部では重層扁平上皮が厚くなる、一方で円蓋部では2-3層の円柱上皮となっている。OSNNは核の大小不同や異型を伴った上皮細胞が基底膜を越えて増殖しているかを確認する。
結膜扁平上皮癌は核濃染像など有糸分裂活性が高く、角質産生能をもつ分化度の高い異型上皮細胞で構成されている。また、腫瘍細胞の細胞質は好酸性で細胞間の細胞突起を示す細胞間橋を伴う。このような腫瘍細胞が敷石状に配列する。腫瘍周囲は炎症を伴うことが多い。
眼表面扁平上皮新生物の治療
安全域を設けて完全切除する。眼球内あるいは眼窩内へ浸潤していれば眼球摘出術、眼窩内容除去が必要となる。
参考文献
- あたらしい眼科2020 Vol37,No1
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