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三角症候群とは
急性の短後毛様動脈分枝の閉塞により眼底に特徴的な三角形の病変をきたす疾患を三角症候群という。早期には特徴的な三角形の白色混濁病変を示し、最終的には網脈絡膜萎縮をきたす。原因は下記の通りである。
- 外傷(鈍的外傷や手術操作に伴うもの)
- 動脈の血栓や塞栓、硬化
- 炎症(膠原病を含む)
- Raynaud病
- 悪性高血圧
- 血液疾患(白血病等)
など
三角症候群の症状
ほとんどの場合に無症状で、黄斑部病変があれば視力障害をきたす。通常は赤道部から周辺部に発生するため、自覚症状なく経過することもあり、その場合は視力予後良好である。
三角症候群の診断
外傷の既往と病変部の特徴的な形状から比較的診断は容易であり、下記1~3の検査結果を判断材料にする。
1.眼底検査
外傷、特にサッカーボールや野球ボールによる鈍的外傷後で、眼底検査によって後極部側を頂点とする三角形の扇状に広がる。急性期では境界鮮明な網膜深層の浮腫混濁を示す。その後、浮腫は徐々に吸収されて、病変部は色素沈着を伴う網脈絡膜萎縮となる。
2.フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)
造影早期に脈絡膜の充盈遅延による低蛍光を示す。その後、徐々に色素漏出が始まり、晩期では過蛍光を示す。古い病変は顆粒状の過蛍光を示す網脈絡膜萎縮となる。
3.インドシアニングリーン蛍光造影検査(IA)
造影早期に病変部は低蛍光を示すが、晩期には病変部の辺縁のみ造影剤が流入するため比較的過蛍光となる。網脈絡膜萎縮が完成すると、造影早期から晩期にかけて持続する低蛍光を示す。
三角症候群の治療
- 偶発的に発見→治療は不要(黄斑部病変は問わない)
- 急性期の場合、以前は線溶療法・抗凝固療法も行われていた。しかし、治療効果のエビデンスはないため、視力予後が悪いと思われる黄斑部病変に限り行われることがある。
参考文献
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