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眼トキソカラ症とは
イヌやキツネに風土病的に感染しているイヌ回虫の成熟卵を偶発的に経口摂取したり、待機宿主であるニワトリやウシの肝臓を生食する、公園や砂場で虫卵が含まれるペットの排泄物で汚染された土を飲み込むことにより生じることがある。しかし、ヒトの場合はほとんどが無症状とされる。
眼トキソカラ症の分類
- 後極部肉芽腫:黄斑部に白色あるいは灰色の肉芽が生じ、しばしば増殖膜形成を伴う。
- 周辺部肉芽腫:両眼性が多く、後極部に牽引性索状物、牽引乳頭、黄斑偏位または2次的な裂孔原性網膜剥離を合併する。
- 眼内炎:ほとんどが片眼性で、前眼部と後眼部を含むびまん性の炎症が特徴的である。(ア)~(ウ)で最も頻度は低い。
眼トキソカラ症の検査
- 血液中の抗トキソカラ抗体の上昇(IgM、子供ではポリクローナルIgE上昇をよく認める)
- 抗トキソカラ抗体の眼内での上昇
- Goldmann-Witmer比率の上昇
- PCRでトキソカラDNAの検出
眼トキソカラ治療
1.薬物治療
効果が証明されてないため駆虫薬はほとんど使われない。眼内炎型、重度の硝子体炎を伴う後極部あるいは周辺の肉芽腫型には、局所注射あるいは全身投与によるステロイドの治療が最も有効とされる。
2.外科的治療
- 白内障
- 網膜剥離
- ステロイド抵抗性の眼内炎型
上記には手術を行う。トキソカラ嚢胞に対するレーザー光凝固術は幼虫の死滅により強烈な炎症反応を引き起こすため不適応と考えられる。
眼トキソカラ症の予後
周辺肉芽腫型の2~4割に発症し、手術を行うと過半数に視力上昇を認めるが、再手術例も多い。後極部肉芽腫のある幼児の場合、視力低下や弱視を起こすことがある。
参考文献
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