視神経・視路とその疾患

抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎

抗AQP4抗体陽性視神経炎とは

抗AQP4抗体陽性視神経炎は特発性視神経炎のうち、10%程度に生じる難治性疾患である。通常の視神経炎の発症年齢よりやや高齢であり、女性の方が9倍多い

急激な視力低下をきたし、ステロイド治療抵抗性である。最近では、視神経脊髄炎(NMO)の眼症単一型であるNMOSDとして扱われている。

抗AQP4抗体陽性視神経炎の病態

抗AQP4抗体が補体と結合して、視神経内のアストロサイトを攻撃する。視神経のアストロサイトは抗AQP4抗体を多く発現しているため障害を受けやすい。

抗AQP4抗体陽性視神経炎の症状

  • 急激な視力低下
  • 両眼性になりやすい
  • 約半数に眼痛を認める
  • 視野障害(中心暗点、盲点中心暗点、水平半盲、両耳側半盲、同名半盲など様々)

抗AQP4抗体陽性視神経炎の合併症・併発症

NMOの初発症状である可能性もあるため、脊髄炎の症状である手足のしびれや温痛覚異常が起こりうる。また、しゃっくり(吃逆)や眼球運動障害(脳幹病変)をきたすこともある。

約80%の患者は抗核抗体、抗SS-A抗体、抗サイログロブリン抗体など自己抗体が陽性となることが多い。

抗AQP4抗体陽性視神経炎の診断

①は必須で、②と③は特徴的所見

  1. 抗AQP4抗体+(ELISA法あるいはCBA法)
  2. 造影T1強調画像、STIR、T2強調画像で信号
  3. 限界フリッカー値(CFF)↓

抗AQP4抗体陽性視神経炎の治療

初回治療はステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1000㎎を3日間DIV)を行い、中3~4日あけて視力改善なければもう1クール行う。

視力低下が続き、抗AQP4抗体+なら血漿交換療法を1クール5~6回行い、低用量のプレドニゾロン(5~10mg/日)単剤あるいはアザチオプリン(50~100mg/日)の併用投与に移行する。

※視神経炎に対して血漿交換療法は保険適用外なので患者には説明と同意を得ること。

抗AQP4抗体陽性視神経炎の予後

ステロイドパルス療法および血漿交換療法を行わないと視機能障害が永続的に続く可能性が高い。最終視力の中央値は0.1とされる。再発も多いとされる。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. クローズアップ神経眼科診断

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