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ステロイド緑内障とは
ステロイドにより眼圧が上昇し、視機能異常が生じる。ステロイド投与中止で眼圧は正常値内に下降する。このステロイド緑内障は誰にでも起こりうる病気であるが、特にステロイドレスポンダー(ステロイドに対して反応性が高い人)で起こりやすいとされる。
ステロイドで眼圧が上昇するかどうかはArmaly法やBecker法などで調べる。しかし、これらの方法はあくまで一期間であるため、陰性だから眼圧上昇はしないとは言えない。
眼圧上昇作用は抗炎症作用に比例し、デキサメタゾン≧ベタメタゾン>フルオロメトロンの順に高くなる。また、容量依存性があり、ステロイドに対する反応性は若年者ほど顕著となる。どんな投与経路でも生じうる。
眼圧が上がる理由
- ステロイドにより隅角線維柱帯細胞の貪食能の抑制
- グリコサミノグリカン分解酵素の放出阻害
→細胞外成分が増加する
→房水流出抵抗が増大する
ステロイド緑内障の診断
診断は次のステップで確定する。
- ステロイド使用中+眼圧上昇→本症の疑い
- ステロイド中止→眼圧が正常化→診断確定
※ステロイドを使用してからどの程度の期間眼圧が上昇するかについてだが、トリアムシノロンだと9~12か月ほど眼圧上昇が持続するとされている。
ステロイド緑内障の治療
治療の基本は
- 可能ならステロイド中止
- 視機能障害、眼圧の程度に応じて加療
で、この2つの基本に沿って治療を選択します。
1.薬物治療
眼圧上昇、あるいは視機能異常があれば眼圧下降薬、炭酸脱水酵素阻害薬(ダイアモックス®など)を使用する。
2.外科的治療
1の効果が不十分あるいは視機能障害が進行している場合には手術を検討する。特に線維柱帯切開術が有効とされる。硝子体内にトリアムシノロンを注射している場合は、硝子体内に残っているであろうトリアムシノロンを除去をする必要がある。
参考文献
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