目に関するブログ

最新技術と目の病気〜白内障編〜

おはようございます、doctorKです。一昨日から最新技術と目の病気についての記事を書いています(今までの記事は『最新技術と目の病気〜加齢黄斑変性症編〜』『最新技術と目の病気〜糖尿病網膜症編〜』をご覧ください。)が、今日もその続きです。「ディープラーニングという技術が白内障の診断にも有用かもしれない」そんな論文を今日はご紹介します。白内障についてよく知らない方は、『白内障とは』をご覧になってからこの先を読んでいただくとより理解が深まるかもしれません。

僕のブログではこのように日常生活で役に立つ、目に関する情報を専門書や論文を交えて分かりやすく説明しています。

今日紹介する論文は2019年にインドのTurimerla Pratapらが発表した論文で、タイトルは『Computer-aided diagnosis of cataract using deep transfer learning(ディープトランスファーラーニングを用いたコンピュータ支援下の白内障診断)』です。

「ディープトランスファーラーニング」とは、ある領域に関してディープラーニングで学習したことをトランスファー(転移)、つまり他の領域に応用することをディープトランスファーラーニングと言います。この論文では、CNNというシステムで事前に学習させておいて、これを実際に使ってみて(転移してみて)その正確性を確かめています。

結果は下記のようになります。

「The four stage classification accuracy obtained is 92.91%. Since, the image quality is important in CNN, an image quality selection module is incorporated to decide the quality of fundus image for diagnosis. 」

白内障を4つのステージ(正常、軽度、中等度、重度)に分ける正確性は

92.91%

これはかなり高い正確性だと思います。論文の結論でも「Based on the results, the proposed method proved to be an efficient method that uses pre-trained CNN as transfer learning for the classification of the cataract.」と、このディープトランスファーラーニングは効果的であると述べています。今後この技術は、医師が不足しておりなかなか検診を受けることができない地域に住んでいる人、企業健診などで非常に有効かと思います。

同じく2019年に中国のHongyan Zhangらが発表した『Automatic cataract grading methods based on deep learning』という論文では、違うシステムではありますが、同じディープラーニングを用いて、その正確性が94.75%というデータを発表しています。

しかし、いずれもまだその正確性は100%ではなく、今後、より良いデータ集積と改善がなされる必要があります。ただ、改善されれば、医師と同じかそれ以上の安定性が担保できる日は遠くないと思います。

このようにディープラーニングは今後の医療を担う技術でありますが、白内障以外の病気にもその力を発揮しています。『最新技術と目の病気〜加齢黄斑変性症編〜』と『最新技術と目の病気〜糖尿病網膜症編〜』では、それぞれディープラーニングの加齢黄斑変性症と糖尿病網膜症への応用を書いています。こちらの記事も併せてご覧ください。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

参考文献

Computer-aided diagnosis of cataract using deep transfer learning

Automatic cataract grading methods based on deep learning


ABOUT ME
doctorK
オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!