目に関するブログ

眼科医が伝授する目薬の正しいさし方

doctorKです。以前Twitterで目薬の正しいさし方を説明したところ、ツイートがバズったので、「皆さん関心があるんだな」と思いました。そこで、今回は『眼科医が伝授する目薬の正しいさし方』と題して、目薬の正しいさし方について説明したいと思います。

ななし
ななし
「目薬は多くさす方が良い」


はて男
はて男
「何種類かの目薬を使うときでも、目薬の間隔は開けなくてもよい」


皆さんもこう思っていらっしゃいませんか?しかし、これらは誤った目薬のさし方です。目薬のさし方に自信がない人はぜひこの後の内容も読んでみてください。僕のブログではこのように皆さんの目の健康に役立ちそうな記事を書いています。

目薬の上手なさし方~げんこつ法~

皆さんは目薬を上手にさせていますか?

ななし
ななし
なかなか目薬がうまく入らないから、近づけてやれば入るよ

患者さんはよくこのようなことを仰ります。もちろん目薬が清潔な状態で目薬が1滴入ればそれで構いませんが、なかなか目薬が入らないという方には”げんこつ法”という方法をやっていただいています。やり方は非常にシンプルです。目薬をさすのが難しい方は下記の流れに沿ってやってみてくださいね。

  1. 手や指に付いているバイ菌やゴミが目に入らないよう、まず手を石鹸と流水でよく洗います
  2. 目薬を持っていない方の手でげんこつを作ります。げんこつを下まぶたに当て、まぶたを軽く下に引きます。
  3. 目薬を持った手をげんこつに乗せ、目薬を1滴入れます。目薬が入ったら目を閉じて目頭を押さえます
  4. 涙として流れた目薬を拭き取る

目薬がなかなか入らないという方はこのげんこつ法を試してみてはいかがでしょうか。イラストを交えた、げんこつ法の分かりやすい説明が参天製薬のHPに載っていますのでそちらも参考にしていただければと思います。

補足ですが、手順の1はバイ菌や汚れによる感染症を予防し、手順の3で目薬を確実に目にとどめ、手順の4で目薬の成分による肌トラブルを予防します。全ての手順に意味がありますので、よく守って目薬をさしてくださいね!

目薬をするときの注意事項

げんこつ法をマスターしていただいたところで目薬に関する注意事項を3つにまとめましたので、全て守れているかもう一度確認してください。

1.目薬は近からず遠からず

皆さんはどのくらいの高さから目薬をさせば良いか答えられますか?

ななし
ななし
10㎝?

いや、できるだけ近づけた方が確実に入るじゃん
はて男
はて男

doctorK
doctorK
残念!遠いと目に目薬が入りづらいし、近いと目にいる細菌とかが目薬の中で繁殖してしまうんだ。

目薬を確実に入れるために目ギリギリまで容器を近づける方がいますが、これは目についた目やにや細菌などが目薬に付着してしまう恐れがあります。逆に、目から10㎝も離す人がいますが、そんな高くから落としてはなかなか目薬が入りません。おススメは、目から3~4㎝は離してさすと良いでしょう。そうすれば目に汚れが入らなくなりますし、目薬も確実に入るでしょう。

2.目薬は1回1滴で十分

doctorK
doctorK
目薬は1滴で十分量入っているのは知ってた?

いえ、できるだけ多く入れた方が良いのかなと思っていました。
ななし
ななし


目薬は1回に何滴さしても効果が変わらないばかりか、逆に副作用が出やすくしてしまう恐れがあります。だから、1回1滴で十分なんです。そもそも1滴の目薬の5分の1程度しか目には貯まりません。それ以外は涙の通り道(涙道)や目から涙として出て行ってしまいます。そして、僕ら眼科医は目薬を1回1滴以上さしているかだいたい分かります。1日2回両眼に使う目薬であれば約1ヶ月もちます。このこと知っていれば「あ、この患者さんは1回4滴も5滴もさしてるな」ということが分かります。

3.目薬の保存方法を必ず守る

目薬にはその薬によって保存方法が決まっています。注意すべきは以下の通りです。

  • 室温で保存できるのか、あるいは冷蔵庫内で保存するのか
  • 遮光(光を避ける)の必要があるのか
  • 開封後1ヶ月経っていないか

上2つは目薬の品質を担保する上で重要です。もし守らないと目薬の成分が変化(変性)する恐れがあります。また、消費期限があるのはもちろんですが、開封後1ヶ月を過ぎると、たとえ防腐剤が入っていても、目薬内にバイ菌が繁殖してしまいます。バイ菌が繁殖した目薬をさしてしまうと感染症などを引き起こす恐れがあります。このように目薬は食材と同様、保存方法と消費期限がとても重要になります。

目薬に自信のない方へ

最後になりますが、やっぱり目薬をさすことに苦手意識がある方いらっしゃいます。そこで、僕がオススメしているのは下記のような目薬の補助具です。お年寄りやお子さんはなかなか思うように目薬をさせません。この補助具を使えば片手で目薬をさせますし、目と目薬の間に適度な距離があるため不要な汚染を防ぐことができます。「目薬さすのが苦手だな」という方はぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。

おわりに

目薬一つ取っても非常に奥が深いことが分かっていただけましたか?なんとなく目薬をさして問題がなかった人もいるでしょう。しかし、適当に目薬をさしていたら、いつかそのしっぺ返しがくるかもしれません。この記事を読んだらすぐに、あるいは次に目薬をさす時に、自分の目薬はどうだっだか確認してみてください。「目薬を何滴もさしていたな。あれはむしろ逆効果なんだ」「開封後3ヶ月くらい使ってたけど、1ヶ月で捨てないといけないんだな」と気付いていただけたら、余計な目の病気にならずに済むかもしれません。僕の記事がその一助になれば幸いです。

参考文献

参天製薬HP

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オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!