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斑状角膜ジストロフィとは
斑状角膜ジストロフィは実質型ジストロフィの一つである。両眼性に角膜実質細胞内やBowman膜、Descemet膜、内皮細胞層にグリコサミノグリカンが沈着する。沈着物は辺縁不整な円形のラード様の強い混濁である。角膜周辺部には透明帯は残存する。
原因遺伝子はCHST6遺伝子であり、常染色体劣性遺伝の形をとる。CHST6は角膜に発現している6-O-sulfotransferasesをコードし、ケラタン硫酸生合成の硫酸化反応に携わっている。
斑状角膜ジストロフィの病型
- Ⅰ型:抗ケラタン硫酸抗体に対して角膜のケラトサイト並びに血清も陰性である。
- ⅠA型:抗ケラタン硫酸抗体に対して角膜のケラトサイト陽性で、血清は陰性である。
- Ⅱ型:抗ケラタン硫酸抗体に対して角膜のケラトサイト並びに血清も陽性である。
斑状角膜ジストロフィの症状と所見
1.症状
小児期に発症し、10~30歳までの間に強い視力障害を認める。
2.所見
初期には角膜中央部に白く小さな斑点状の混濁が実質表層に見られる。加齢とともに実質全層および周辺部にも見られるようになる。混濁の隙間にもびまん性の混濁があることが、顆粒状角膜ジストロフィとの鑑別点である。また、内皮やデスメ膜にも沈着物は見られるが、内皮機能不全は伴わない。
病理所見は、断裂しているBowman膜が見られる。低硫酸化へパラン硫酸が実質の細胞内外にびまん性にコロイド鉄染色やアルシアンブルー染色で染色される。
斑状角膜ジストロフィの診断
確定診断には遺伝子検査が有用である。
斑状角膜ジストロフィの治療
治療は視力低下例では深層層状角膜移植術を第一選択となり、内皮細胞への沈着が強い場合は全層角膜移植術が選択肢となる。
参考文献
- 細隙灯顕微鏡用語活用アトラス事典
- 今日の治療指針第3版
- 第126回日本眼科学会総会
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