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眼瞼けいれんとは
眼瞼けいれんには大きく3つある。
- 本態性眼瞼けいれん:両眼瞼の原因不明の不随意閉瞼発作で、ドライアイや皮膚弛緩症を合併する。
- 続発性眼瞼けいれん:Parkinson病や進行性核上性麻痺などで錐体外路障害によって続発性に生じる。
- 反射性眼瞼けいれん:刺激性病変(角膜炎、眼瞼炎など)や虹彩炎などの眼痛などによる眼瞼けいれんのこと。
正常の瞬目(瞬きのこと)では眼瞼を前方に引く眼瞼前引筋群と後方へ引く随意性眼瞼後引筋群は同時抑制されるが、患者では、この2つの筋群間の同時抑制が消失している。眼瞼けいれんは60歳以上の女性に多く、眉毛の沈下を伴い就寝中は消失する。
眼瞼けいれんの診断
- 本態性眼瞼けいれん:下記がない場合の眼瞼けいれん
- Parkinson病や進行性核上性麻痺などの続発性眼瞼けいれん:けいれんのないときの開瞼失行が特徴的である。また、ドパミン拮抗薬による遅発性ジストニアを認めることもある。
- 反射性眼瞼けいれん:局所治療で改善する。
- 眼輪筋ミオキミア:眉毛の沈下を伴わない。
- チック、ヒステリー:小児、若年者の随意性の眼瞼の上下方向への粗動
- 半側顔面けいれん:眼輪筋から頬部、口角へと広がり、就寝中でもみられる。
眼瞼けいれんの治療
本態性眼瞼けいれんの場合、最初の5年間は進行するが、その後は落ち着くことが多い。10%の患者ではけいれんが収まるが、15%は機能的に失明する。頻回けいれんで視力が障害され日常生活に支障をきたす場合、ボツリヌス毒素注射で加療を行い、治療抵抗性がある場合は薬物療法を検討する。
1.A型ボツリヌス毒素注射治療
神経終末のアセチルコリン(Ach)の放出を抑え、けいれんを抑制する。90%に有効とされる。効果発現までに2~3日、効果消失は3~4か月程度となっている。まれにA型ボツリヌス毒素に対する抗体がある患者さんがいるが、F型毒素が有効であるとされる。しかし、F型毒素は持続期間が短いとされる。
2.内科的治療
保険適応外だが、薬物治療としてロラゼパム、クロナゼパム、トリヘキシフェニジルが用いられる。効果は個人差が多く、15%の患者さんに効果があるとされる。
3.外科的治療
顔面神経の部分切除術(Reynold法)や眼輪筋の切除術(Anderson法、protractor myectomy)がある。
参考文献
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