ドクターK
・レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)ってどんな病気なの?
と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
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レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)とは
レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)はミトコンドリア遺伝子異常のため母系遺伝である。よって、無兆候女性保因者の子孫に患者が現れるとされる。
10歳代~30歳代と45~50歳代の二峰性の発症のピークとなる。
その他にも、タバコや飲酒、ストレスなども発症誘因になると言われている。
レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)の特徴
ほぼ例外なく両眼性であるが、発症時期の間隔は数週~数か月空き、中には1年を超えることもある。
- 主訴:視力低下や霧視、中心暗点
- 眼底所見:(急性期)視神経乳頭は発赤、腫脹、血管の拡張や蛇行
- 蛍光眼底造影検査(FAG):乳頭周囲の微細血管症、血管の蛇行、網膜毛細血管瘤。全経過を通して蛍光色素の漏出を認めない。
- 視野:中心暗点が次第に拡大していくが、周辺の視野は保たれる。
- その他:心房細動やWPW症候群などの不整脈、てんかん、小脳萎縮、ミオパチーなどの神経・筋肉の障害を認めることがあるが、欧米に比べると日本ではまれ。
レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)の診断


難病情報センターホームページ(2020年10月現在)から引用
遺伝子検査が有用であり、ほとんどの患者でmtDNA変異(3460, 11778, 14484塩基対変異が90%)を認める。
レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)の治療
コエンザイムQ誘導体のイデベノンやEPI-743が一定の患者に有効であったという報告がある。喫煙とアルコール多飲も誘因になるため避けるよう指導する。
その他、シクロスポリンなどの免疫抑制、遺伝子治療、幹細胞治療、胚細胞治療などについて研究が推進されている。
レーベル遺伝性視神経症(レーベル病)の予後
しだいに視神経乳頭は退色し、視神経萎縮または耳側蒼白となる。
視力はまれに0.6以上、逆に手動弁となることもある。ほとんどは0.01~0.1程度に落ち着くとされる。
視力低下の持続期間は半年以内が多いが、まれに2年以上続くこともある。再発はまれとされる。
参考文献
- 難病情報センターホームページ
- 眼科学第2版
- 眼科:目で診る緑内障・視神経疾患80
- クオリファイ7視神経疾患のすべて(専門医のための眼科診療クオリファイ)
- クオリファイ5全身疾患と眼(専門医のための眼科診療クオリファイ)
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