強膜とその疾患

マイトマイシンC、5-FUによる強膜軟化症

マイトマイシンC(MMC)、5-FUについて

MMC、5-FUは代謝拮抗薬・抗悪性腫瘍薬として知られ、その線維芽細胞増殖抑制効果を期待して、翼状片の術後再発緑内障濾過手術の濾過胞の瘢痕化防止目的で用いられてきた。

翼状片術後の点眼薬としての使用は、術後数か月~数年を経て、強膜の石灰化や壊死性強膜炎をきたすため1980年代に廃止されている。

一方で、緑内障手術後の結膜注射に用いられた5-FUも、眼表面への毒性と濾過胞関連眼内炎の問題から、今日では低濃度(0.02~0.04%)MMCの術中短時間1回塗布が主流になっている。

MMC、5-FUによる強膜軟化症の原因

MMCが強膜軟化や壊死を引き起こす原因は不明だとされている。動物実験では、MMC1回投与でも線維芽細胞抑制効果、コラーゲン産生減少などが確認はされている。

MMC、5-FUによる強膜軟化症の症状

MMC、5-FUともに充血、異物感、眼痛を生じることもあれば無症状のこともあるが、その進行は比較的緩徐とされている。また、術中に使用した場合は、術後に手術部強膜の蒼白化や血管狭細化、無血管野が出現することがある。

MMC、5-FUによる強膜軟化症の治療

強膜軟化症は最重度の壊死性強膜炎と同様、薬物治療のみで進行が停止したり、治癒したりすることはなかった。よって、軟化部位が小さいうちに早期に保存強膜移植術を行うべきである。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針 第3版

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ドクターK
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