勉強用

悪性緑内障

悪性緑内障とは

主として内眼手術(白内障手術や硝子体手術など)やレーザー治療をきっかけに、毛様体と水晶体の間および前部硝子膜の房水流出抵抗増加する。その結果、房水が硝子体腔に流れ、水晶体が前方に圧排され、極端な浅前房または完全な前房消失を伴う緑内障のことをいう。

短眼軸眼プラトー虹彩では後房スペースが狭く、毛様体突起部の位置異常や形態異常を伴うため、濾過手術や水晶体再建術後に毛様体ブロックをきたしやすい。

“悪性”と呼ばれる理由は、縮瞳薬や虹彩切開術など通常の閉塞隅角緑内障に対する治療に反応しないためである。

悪性緑内障の診断

水晶体ごと虹彩面が角膜方向へ押され、瞳孔領まで浅前房となっていることが多い。超音波生体顕微鏡(UBM)が有用で、毛様体の前方回旋と硝子体による著名な圧排像を認めれば診断は容易である。前眼部OCTは後房スペースや毛様体位置・形状が分からないためUBMの方がより良い。

悪性緑内障の治療

1.薬物治療

まずは高浸透圧薬を点滴して硝子体液を減らし、調節麻痺薬点眼で毛様筋を弛緩させてブロック解除を試みる。また、房水産生抑制薬点眼および内服を用いる。

下記を併用する

  • アトロピン点眼液(1%)1日1回点眼
  • チモプトール点眼液(0.5%)1日2回点眼
  • ダイアモックス錠(250㎎)2錠分2食後
  • ウラリット配合錠4錠分2

2.レーザー治療

偽水晶体眼ではYAGで後嚢切開後、後嚢後方にフォーカスをずらし、硝子体中に火花を散らすように3~4mJで10~20発照射し、前部硝子膜付近の硝子体を破砕する。

3.手術治療

水晶体周辺部―Zinn小帯―前部硝子膜に孔を開け、前後房の交通を再開することが根治術となる。角膜輪部から人工房水を潅流し、硝子体カッターで前房または硝子体腔側から水晶体嚢ごと周辺虹彩切除を行い、切除孔付近の前部硝子体切除をしておくと確実に再発を防止できる。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

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doctorK
学生時代より執筆活動を始め、現在まで500本以上の医療記事を執筆しました。現在は眼科医として勤務しながら、自身の記事をアップするため『オンライン眼科』を設立しました。ライティングのオンラインサロン『医療ライターたち』への参加、お仕事依頼は問い合わせページからお願いいたします。