網膜疾患

家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)

家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)とは

FEVRは未熟児網膜症に眼底像が類似する遺伝性疾患である。原因遺伝子はFZD4、LRP5、TSPAN12、NDPが知られている。遺伝形式は常染色体優性が多いが、症例の半数は孤発例とされる。

遺伝子異常により、網膜血管が形成不全となり、周辺部網膜の無血管や走行異常を認める。これに続発する形で、網膜滲出斑や新生血管、硝子体出血、網膜剥離などを認める。また、黄斑耳側の咬合不全も特徴の一つとされる。

乳児では、増殖性変化や牽引性網膜剥離のために白色瞳孔や鎌状網膜ひだを呈し、小児期は新生血管からの滲出斑や硝子体出血をきたす。

FEVRの症状

多くの症例は、軽度の周辺部網膜の異常を呈するだけで無症状だが、中には視力発達障害や弱視がみられることもある。中等度近視を呈することが多い。

FEVRの診断

眼底所見は網膜血管の多分岐や直線化、動静脈の交叉過多などである。光干渉断層計(OCT)では黄斑低形成や網膜前膜、視神経乳頭周囲にグリア組織の増生を認めることがある。網膜血管の走行確認のため蛍光眼底造影検査が有用である。また、家族の眼底検査も行い、罹患の有無を確認することも重要である。

FEVRの治療

小児では屈折異常に対する矯正や弱視訓練が必要な症例がある。網膜新生血管や裂孔があればレーザー治療を行い、網膜剥離があれば硝子体手術や強膜バックリング手術を行う。

成長とともに牽引性変化で網膜剥離を起こす恐れがある。このように網膜剥離の有無で視力予後が良好か、難治性かが変わってくる。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

関連記事

(裂孔原性)網膜剥離ボクシング選手がなりやすい網膜剥離ですが、実は誰しがなりうる病気です。放っておくと失明する怖い病気です。あなたは網膜剥離の初期症状を答えることができますか?答えられない方はこの記事をご覧ください。...

ABOUT ME
doctorK
学生時代より執筆活動を始め、現在まで500本以上の医療記事を執筆しました。現在は眼科医として勤務しながら、自身の記事をアップするため『オンライン眼科』を設立しました。ライティングのオンラインサロン『医療ライターたち』への参加、お仕事依頼は問い合わせページからお願いいたします。