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朝顔症候群 | オンライン眼科
網膜とその疾患

朝顔症候群

朝顔症候群とは

朝顔症候群は視神経乳頭の先天異常で、乳頭が著明に大きく、その様相が朝顔に似ている。灰白色を呈した乳頭領域の拡大と漏斗状陥凹、陥凹底の乳頭前白色組織、乳頭周囲の網脈絡膜色素異常、網膜血管の異常を特徴とする。遺伝性はない。網膜血管は白色組織の下から始まり、狭細で、放射状、直線状に走行している。多くの症例で、乳頭下方に舌状の網脈絡膜萎縮病変がある。

朝顔症候群の症状

しばしば乳頭近傍から始まる漿液性網膜剥離(約3割)を合併し視力障害が進行することがある。初期には自然軽快することもある。網膜剥離は乳頭周囲に留まることも多いが、全剥離に進行して失明に至ることも少なくない。また、進行例では乳頭前組織付近に裂孔を併発することも多い。多くは眼性で、視力は手動弁から1.0までありえる。出生時から視力不良であることも多く、小児では片眼の視力不良で来院する。

Research Gate HPより引用

朝顔症候群の診断

特徴的な眼底所見で診断できる。その他にも、超音波検査、光干渉断層計(OCT)、CT、MRIなどで乳頭領域の陥凹が判定できる。

朝顔症候群の治療

6歳以下で、黄斑を確認できれば弱視治療を行う。OCTでグリア組織や硝子体の牽引がない例に自然軽快が認められやすい。また、網膜剥離が乳頭周囲に限局していれば、網膜下液が髄液由来の可能性があり、様子を見ることも多い。一方で、進行した網膜剥離では、硝子体手術を行うことがある。手術に抵抗し難治例も多く、特に10歳以下の小児例では、乳頭周囲の陥凹程度が著しく、後部硝子体皮質の牽引除去が困難なため予後不良とされる。

参考文献

  1. 眼科学第2版
  2. 今日の眼疾患治療指針第3版
  3. あたらしい眼科 Vol38,No.10,2021

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