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オカルト黄斑ジストロフィ(三宅病)とは
眼底、蛍光眼底所見も異常がないにも関わらず、羞明や両眼の視力低下をきたす黄斑ジストロフィである。常染色体優性遺伝が最も多く、その中にはRP1L1遺伝子変異があれば三宅病と呼ぶ。30-60歳の間にピークがある。
オカルト黄斑ジストロフィ(三宅病)の診断
眼底所見、蛍光眼底造影は正常だが、両眼の視力が緩徐に低下した患者で疑う。約半数の患者では、経過中に羞明を訴えるが、RPEおよび杆体視細胞はほぼ正常に保たれるため、他の黄斑ジストロフィに比べると視力低下のわりに不自由を訴える程度は軽い。日本人においては、発症から約15年間は徐々に視力低下するものの、それ以降は視力がほとんど変化していない。また、自覚症状の出現から60年以上経過しても多くの患者において、0.1以上の視力が維持される。
全視野網膜電図(ERG)で全て正常だが、黄斑部局所あるいは多局所ERGで黄斑部の反応だけが減少する。光干渉断層計(OCT)も診断に有用で、EZ(ellipsoid zone)が黄斑中心部で不鮮明あるいは不連続となり、COST line(IZ line)は黄斑部で消失していることが多い。ほとんどの症例で中心窩網膜厚の低下や黄斑部の網膜外層の構造異常が検出できる。視野検査では中心部の感度は低下するが、その程度軽く、Goldmann視野計では異常を検出できないこともある。

オカルト黄斑ジストロフィ(三宅病)の治療と予後
現時点では有効な治療法はない。また、オカルト黄斑ジストロフィの視力予後はそれほど悪くはないとされる。
参考文献
- 今日の治療指針第3版
- 眼科学第2版
- あたらしい眼科 vol.39,No.8,August 2022
- Occult macular dystrophy
- あたらしい眼科 Vol.42, No.3, 2025
- Dominant mutations in RP1L1 are responsible for occult macular dystrophy
- Hereditary macular dystrophy without visible fundus abnormality
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