網膜とその疾患

進行性網膜外層壊死(PORN)

進行性網膜外層壊死(PORN)とは

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で生じる壊死性ヘルペス性網膜症である。炎症の首座は網膜外層で、急速に進行する。その上、治療には抵抗性があり、極めて予後不良の疾患である。AIDSや骨髄移植後、悪性リンパ腫など免疫不全状態の患者にみられる。

進行性網膜外層壊死(PORN)の症状と所見

自覚症状は壊死する部位によって視力低下や視野狭窄をきたす。眼底所見は、眼底周辺部の網膜深層に孤立性の白色斑が多発性に出現し、1-2週間で急速に拡大癒合する。

進行性網膜外層壊死(PORN)の診断

診断のポイントは下記の通り

  1. 網膜出血や血管炎の軽度な、網膜外層を中心とした広範な網膜黄白色病変
  2. 前房、硝子体の炎症所見に乏しいこと
  3. 数週間と急速に進行すること
  4. 免疫抑制状態にあること
  5. 前房水や硝子体液を用いたPCR検査でVZVのDNAを検出できること

※前房内に炎症細胞がなかったり、治療開始されている症例ではDNA検出率は低下する。

※VZVは潜伏感染しているため、血清抗体価検査は診断上意味がない。

進行性網膜外層壊死(PORN)の治療

確立された有効な治療法はない。ガンシクロビルやホスカルネットナトリウム水和物との併用を行う。これら2剤を全身投与する、あるいは1剤を全身投与し、もう1剤を硝子体内投与する。

処方例)全身投与の場合

  1. デノシン点滴静注:初回投与は1回5㎎/kgを1日2回で、維持投与は1回5㎎/kgを1日1回
  2. ホスカビル注:初期投与は1回60㎎/kgを1日3回で、維持投与は1回90㎎/kgを1日1回

処方例)硝子体内投与

  1. デノシン点滴静注:1回400μg/0.1ml(2000μgまで増量可)週1回
  2. ホスカビル注:1回2400μg/0.1mlを活動期には2回/週、それ以後は1回/週投与

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針 第3版

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ドクターK
オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!