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腎性網膜症とは
Duke-Elderらは悪性高血圧と慢性糸球体腎炎にみられる網膜症を広義の腎性網膜症とし、慢性糸球体腎炎にみられる網膜症を狭義の腎性網膜症としている。一方で、沖坂らは腎性高血圧患者にみられる網膜症を腎性網膜症としている。
いずれにせよ、腎性高血圧症によって循環障害が生じ、さらに末期慢性腎不全では脈絡膜循環障害が生じる。その結果、脈絡膜から網膜下への滲出がみられ、漿液性網膜剥離をきたすことがある。
腎性網膜症の症状
視力障害を認めない症例が多いが、黄斑浮腫など黄斑部病変をきたすと視力低下を自覚しうる。
腎性網膜症の診断
眼底検査で高血圧性眼底を認める。脈絡膜循環障害をきたしている部位は、インドシアニングリーン蛍光造影検査(IA)で充盈欠損を呈する。
腎性網膜症の治療
原因疾患が治療により改善すれば、眼底所見などは改善することが多い。慢性腎不全は透析管理が行われると、導入から約半年の間に網膜浮腫、出血、白斑は徐々に吸収され視力障害は改善する。しかし、その間も病変が進行しうる。特に、長期に及べば網膜動静脈は狭細化し、網膜反射は低下、視神経乳頭は蒼白化する。視力予後については黄斑部病変の程度に依存する。
参考文献
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