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熱傷 | オンライン眼科
眼外傷

熱傷

熱傷とは

熱傷は高温の物質により生じるが、眼部熱傷はアルカリ外傷などに比べさらに重篤で難治とされる。受傷直後の組織損傷に加えて、重症の場合には高度炎症に伴う二次的な組織破壊が進行する。その場合、角膜穿孔や強膜融解を生じうるし、眼瞼の瘢痕性収縮があれば兎眼や内反症の原因となりうる。

熱傷の症状

視力低下、閉瞼不全など

熱傷の診断

受傷状況と受傷範囲を把握する。具体的には物質、接触時間、物質の温度、受傷部位はどこかなどを確認する。眼部においては下記を観察する。

  • 眼瞼や睫毛の状態
  • 充血(結膜、毛様)の有無
  • 角膜浮腫、混濁、上皮欠損

熱傷の治療

異物があれば除去して洗眼する。治療は消炎および感染予防が主体となる。重症度と炎症所見に合わせて、ステロイド点眼や全身投与、抗菌薬の点眼や全身投与を選択する。

(軽症)

  1. ベタメタゾン点眼 1日2~4回程度

(中等症)高度発赤や充血、部分的な角膜上皮欠損などでの処方例

  1. プレドニゾロン5~10mg/日を数日間程度内服
  2. ベタメタゾン点眼 1日4回程度

(重症)組織壊死を伴う高度熱傷、全角膜上皮欠損などでの処方例

  1. メチルプレドニゾロン(ソルメドロール®)125㎎の静注を1~2回

    ベタメタゾン1㎎/日 or プレドニゾロン10㎎/日を1~2週間程度内服
  2. ベタメタゾン点眼 1日4回程度

上皮欠損が遷延化する場合には、角膜穿孔のリスクがあるため、角膜実質の厚みに注意して経過観察を行う。上皮が修復しない場合には、羊膜移植、角膜上皮移植、培養粘膜上皮シート移植など観血的治療を行うことがある。ただし、いずれの手術も視力改善が目的ではなく、眼表面の安定化である。視力改善のためには、瘢痕期に角膜上皮移植などの手術を行う必要がある。

熱傷の予後

重症熱傷は予後不良とされる。数カ月かけて眼瞼の瘢痕性収縮が進行して、兎眼や内反症をきたす。また、眼表面の熱傷は角膜穿孔や瞼球癒着などをきたし、失明となるリスクが高い。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

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