視神経・視路とその疾患

視神経鞘髄膜腫(ONSM)

視神経鞘髄膜腫とは

視神経鞘髄膜腫(ONSM)は視神経鞘のくも膜表層細胞から発生する良性腫瘍である。進行は緩徐だが、視神経の圧迫・循環障害により、重篤な視機能障害をきたす。ほとんどが中年女性、片側性である。神経線維腫症2型に合併することがあり、小児にも見られる。

視神経鞘髄膜腫の症状

初診時は視力低下、視野異常、眼球突出が多い。

視神経鞘髄膜腫の所見

1.視神経乳頭所見

視神経萎縮や乳頭浮腫など視神経乳頭異常を伴う。ただし、初期のONSMでは乳頭異常を認めないこともある。また、optociliary shunt vessel(OCNV)を認める。

Eye Rounds HPより引用

古典的三徴:進行性視力障害、視神経乳頭蒼白、OCSV

※ただし、OCNVはONSMに特異的な所見ではない。

2.画像所見

造影CCT・MRIで腫瘍は強い造影効果を呈する。内部の視神経自体は造影されず、周囲の腫瘍部のみが造影されるtram-track sign を呈する。石灰化は31%の症例で認められる。頭蓋内進展は若い患者でより頻繁にみられ、腫瘍の成長も早いとされる。

Research Gate HPより引用

視神経鞘髄膜腫の分類

ONSMは全髄膜腫の1-2%である。眼窩内、視神経管内から発生した原発性ONSMと蝶形骨縁などの頭蓋内から視神経管を経由して眼窩内に浸潤した続発性ONSMに大別される。腫瘍の形状は、視神経の走行に沿って進展する管状のdiffuse type(64%)、紡錘状のfusiform type(10%)、球状のglobular type(25%)に分けられる。

鑑別診断

視神経膠腫:星状細胞から発生する良性腫瘍である。神経線維腫症1型に合併することがあり小児に多い。片眼性で、進行性視機能障害があらい、眼球突出、視神経乳頭異常があるなど視神経鞘髄膜腫と鑑別が困難なこともある。

視神経鞘髄膜腫の治療

1.外科的治療

手術では、視神経を栄養する軟膜血管叢の損傷のため、網膜中心動脈閉塞症などに寄り、術後95%に重篤な視機能障害を生じる。そのため、手術加療は頭蓋内伸展、あるいはその予防、有効視力が出ない、眼球突出を改善するなど限定的に行う場合が多い。

2.放射線治療

総線量54Gy以下で30回以上の分割照射が推奨され、SRT(stereo tactic radiotherapy;定位放射線治療)、3D-CRT(3-dimensional conformal radiotherapy;三次元原体照射)、IMRT(intensity modulated radiation therapy;強度変調放射線治療)で治療効果には差はないとされる。長期の腫瘍制御率は95-100%で、視機能の維持・改善は80%以上と報告されている。

放射線治療の有害事象

重篤なものでは、放射線網膜症、放射線視神経症、下垂体機能障害などがある。

参考文献

  1. Optic nerve sheath meningiomas
  2. Optic nerve sheath meningiomas
  3. Optic nerve sheath meningiomas: prevalence, impact, and management strategies
  4. Fractionated radiotherapy for optic nerve sheath meningiomas
  5. Diagnosis and management of optic nerve sheath meningiomas

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