こんにちは、doctorKです。
今日は書ききれなかったので昼の投稿になってしまいました…早速ですが、皆さんはドライアイにお悩みですか?僕の記事でもドライアイに関する記事は色々書いてきましたが、今回はアルコールとドライアイについてです。
アルコールがドライアイに関係するなんて意外かもしれませんが、今日紹介する論文は2016年に浙江大学のYong-Sheng Youらが発表した論文です。タイトルは、
『Alcohol consumption and dry eye syndrome: a Meta-analysis(アルコール消費とドライアイのメタ分析(複数の分析をさらにまとめた信頼度が極めて高い分析)』
です。結論は
A total of 10 (9 case-control and 1 cross-sectional) studies from 8 articles were included in this Meta-analysis. The pooled results showed that alcohol consumption would significantly increase the risk of DES (OR 1.15, 95% CI: 1.02-1.30), and the results were independent of smoking, hypertension, diabetes and thyroid disease history. 〜What’s more, any drinkers were at higher risk of suffering from DES (OR 1.33, 95% CI: 1.31-1.34), while heavy drinkers not (OR 1.01, 95% CI: 0.86-1.18).
要約すると、
- アルコール消費はドライアイのリスクを1.15倍増強させ、独立した危険因子であった。
- 程よい飲酒量は1.33倍ドライアイリスクを高めるが、大酒家は1.01倍とドライアイのリスクではなかった。
この結果から見ると、アルコール消費はドライアイを引き起こし、飲みすぎると改善します。
アルコールがドライアイの症状を悪化させる原因は、アルコールの主成分であるエタノールという物質が目の表面にサイトカインという炎症物質を増やします。
炎症が起こることで目の表面は傷付き、ドライアイの症状を増悪させてしまいます。しかし、アルコールを飲みすぎると感覚が鈍感になって、朝起きたら打撲していたが気付かなかった経験があるかと思います。
飲みすぎでドライアイの症状が生じにくいのはこの現象と似ており、「角膜の表面の神経が障害されるから起こるからかもしれない」と論文では説明されています。
ただ、この論文では「people who drink more than 14 units a week」を大酒家としています。
これは1週間でビールなら350mlを8缶、グラスワインなら6杯です。
これ以下ならドライアイの症状は悪くなるということにもなります。
ただ、ドライアイの症状を良くするために大酒家になることはお勧めしません。
それはお酒の飲み過ぎで白内障のリスクが1.3倍にもなるからです(詳しくは『アルコールを飲みすぎると約1.3倍白内障になりやすくなる!?』)。
また、お酒はアルコール以外にも肝臓や心疾患のリスクも高めてしまいます。ドライアイの症状がある方はこれを機会にお酒を控えてもよいかもしれませんね。
とはいえ、お酒は飲まないし、ドライアイの症状があるけど、病院へは行きたくない。そんな方にはオススメのサプリがあります。
『ドライアイに効果があるサプリ』という記事では、ドライアイに効果のあるサプリを論文ベースで紹介しています。気になる方はこの記事もご覧ください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
参考文献:Int J Ophthalmol. 2016; 9(10): 1487–1492.