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コンタクトレンズを付けたままシャワーに入ると失明する!?

はて男
はて男
コンタクトレンズを付けたままシャワーに入ると失明するの!?

なぜこんなことが言えるのかが分かる記事になっています。

はじめに

タイトルに驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。日本でコンタクトレンズが普及し、1991年に行われた調査では全国で1500〜1800万がコンタクトレンズを付けているそうです。

現在ではAmazonや楽天等のネット販売が普及し、コンタクトレンズを買いやすくなったので、コンタクトレンズ使用者数は昔よりも増えていると思われます。

このように、コンタクトレンズを付けている人が増えできている現状もあるので、皆さんにお伝えしたいことがあります。

それは、

コンタクトレンズをしながらシャワーや温泉に入ると失明するリスクが上がる

ということです。

コンタクトレンズをしているのに、目が見え
にくくなる、失明するのはどういうことですか?
はて男
はて男

僕も始めは驚きました。そこで論文を1つ紹介して解説していきます。

論文は2002年にレスター大学のSimon Kilvingtonらが発表されたものです。タイトルは『Acanthamoeba Keratitis(AK): The Role of Domestic Tap Water Contamination in the United Kingdom(アカントアメーバ角膜炎:イギリスにおける家庭内の水道水の混入の役割)』です。

アカントアメーバ角膜炎とは

この論文を読み進める前にアカントアメーバ角膜炎について知っておく必要があります。詳しくは『アカントアメーバ角膜炎』の記事を読んでください。この記事ではその概略を簡単に説明します。

アカントアメーバ角膜炎コンタクトレンズを間違った使い方をするとアカントアメーバ角膜炎になることがあります。薬物治療で改善することもありますが、最悪の場合、角膜移植術が必要になるケースもあります。コンタクトレンズをお使いの方はぜひご覧ください。...

アカントアメーバ角膜炎では、土の中や淡水に生息するアカントアメーバが、外傷をきっかけに感染するとされてきました。しかし、近年はコンタクトレンズ(CL)装用者を中心に患者数が増加しています。

アカントアメーバ角膜炎は目薬による治療で治ることもありますが、失明にも至る恐れがある怖い病気てす。

本論文の内容

アカントアメーバ角膜炎について何となく理解していただいたところで、論文の内容について説明します。早速ですが結論を引用します。

 

「Water storage tanks promote colonization of domestic water with FLA(free-living amoebae), including Acanthamoeba, and hence increase the risk of AK. This accounts for the significantly greater incidence of AK in the UK and supports advice to avoid using tap water in contact lens care routines.」

 

要約すると

水を貯蔵するタンクはアカントアメーバを含むアメーバの増殖を促進し、アカントアメーバ角膜炎のリスクを増加する。よって、コンタクトケアの際に水道水を使うのを避けた方が良いと推奨する

コンタクトレンズのケアに水道水を使われている人がどのくらいいるか分かりませんが、コンタクトレンズ洗浄液で管理をした方が良いことがこれで良く分かります。もし水道水でコンタクトレンズの管理をするとどのくらい危険かと言うと、

 

「The isolation of amoebae from the domestic tap water outlets of almost 24 (89%) of 27 of patient homes, of which 8 contained Acanthamoeba, demonstrates that this is a significant source of these organisms. 」

 

つまり、

約89%の家の水道水でアメーバが検出され、そのうち約33%でアカントアメーバが検出された。

ということです。

これはあくまで2002年のイギリスの発表なので、世界でも有数の下水道が完備されている、現在の日本で同じ状況とは言えないとは思います。

とはいえ、同じ先進国として無視することはできませんね。

「ちょっと待って。この実験と今回のタイトルにあるシャワーと温泉とどういう関係があるんだよ。」
はて男
はて男

はて男さん、鋭いですね。

水道水をコンタクトレンズのケアに使うこととシャワーや温泉は一見関係ないように思えますね。しかし、関係は大アリです。想像してみてください。

doctorK
doctorK
はて男さん、コンタクトレンズを付けたまま温泉に入る時、目に水が入ったりしたことはありませんか?
そうですね、息子が急に水をかけてきた時に目に温泉の水が入ってきました。あれは酸性の温泉だったのでものすごく目にしみましたよ。それがダメなんですか?
はて男
はて男
doctorK
doctorK
なるほど。そのしみた後、コンタクトレンズを外して眼鏡にしませんでしたか?
そうですね、その後はコンタクトレンズをケースに戻しました…あ!!
はて男
はて男
doctorK
doctorK
そうです、気づかれたみたいですね。その温泉水は温泉の水ですよね。それは消毒されていない恐れがあるので、その水が付着したコンタクトレンズをケースにしまったら論文と同じでしょ?

はて男さんは気づいたようですね。コンタクトレンズを付けたままシャワーや温泉に入るとします。

多少なりとも水道水が目に入り、水道水にアカントアメーバがいればコンタクトレンズに付着します。そのままコンタクトレンズケースに入れるとケース内でアカントアメーバが繁殖してしまいます。

「洗浄前にコンタクトレンズを洗えば良いのでは?」と思いますが、僕が記事にした理由は「平成18年6月20日から平成19年7月4日までに行われた、コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告」にあります。

コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告

このアンケート調査を見ると、毎日洗浄している人は63.6%いますが、それ以外の人は36.4%もいると言うことです。つまり、アカントアメーバがコンタクトケースに入る隙がある人は36.4%もいることになります。

これを多いと思うか、少ないと思うかは個人差があると思いますが、僕は決して無視できる数字ではないと思います。

コンタクトレンズを外して入浴し、適切なコンタクトレンズのケアをしてください。

↑ちゃんとした洗浄液ならOKです。持っていない方はAmazon

アカントアメーバ角膜炎は眼科医もそう多く遭遇する疾患ではありません。

しかし、確実にその患者数は増えています。目がよく見えるようにするコンタクトレンズが原因で失明してしまっては元も子もありませんよね。

この記事を最後まで読んで下さった皆さんであれば、きちんと管理しているかと思いますが、きちんと管理していない方は今日から正しい管理をしてくださいね。

参考文献

アイキャプチャ画像:Lorenzo-Morales J, Khan NA & Walochnik J: An update on Acanthamoeba keratitis: diagnosis, pathogenesis and treatment. Parasite, 2015, 22, 108より引用

  1. 日本眼科学会HP
  2. Investigative ophthalmology & visual science 45 (1), 165-169, 2004
  3. コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告

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オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!