角膜とその疾患

点状表層角膜症(SPK)

点状表層角膜症(SPK)とは

角膜上皮層は角膜実質との間の基底膜上に基底細胞、翼細胞および3層程度の扁平細胞の計5層からなっている。点状表層角膜炎はこの角膜上皮の表層細胞から翼細胞がびまん性あるいは多発性に脱落している状態である。基底細胞層は保たれている。

一般的にSPK(superficial punctate keratopthy, superficial punctate keratitis)というが、点状表層角膜症(SPK)は所見名であることに留意する。

点状表層角膜症(SPK)の原因

点状表層角膜症(SPK)の原因

  • 外傷(角膜異物、結膜異物、コンタクトレンズ)
  • 紫外線曝露
  • 化学外傷
  • 眼瞼疾患(兎眼、Meige症候群、眼瞼内反、睫毛乱生、アレルギー性結膜疾患など)
  • マイボーム腺機能不全
  • 結膜疾患(上輪部角結膜炎、結膜弛緩症)
  • ドライアイ
  • 神経麻痺性角膜症、糖尿病角膜症
  • 輪角膜疾患(部疲弊症、水疱性角膜症)

兎眼角膜症

閉瞼障害によって角結膜が乾燥することで生じる。神経疾患による瞬目麻酔反射やベル現象の障害、顔面神経麻痺、甲状腺眼症などが原因となる。閉瞼が不完全な部位(角膜中央から角膜下1/3程度)に一致した点状表層角膜炎を認め、高度で長期化すると角膜浸潤、潰瘍形成、血管侵入に進展することがある。原因疾患に対する治療を行い、併せて角膜保護点眼薬、眼軟膏点入を行う。重症の場合はテーピング、眼瞼縫縮を行う場合もある。

点状表層角膜症(SPK)の症状

異物感、眼痛、羞明などが主で、その他にも視力低下、霧視、乾燥感、充血、疲労感、眼脂、瘙痒感などを訴える場合がある。

点状表層角膜症(SPK)の診断

細隙灯顕微鏡検査で、フルオレセイン染色が点状あるいは集簇したように染色される。原因疾患によってその染色部位は異なる傾向があるため、染色部位によって大まかに原因疾患を推測することもできる。

  1. 上方:アレルギー性結膜炎、上輪部角結膜炎
  2. 瞼裂部:ドライアイ、兎眼、神経麻痺性角膜症
  3. 下方:マイボーム腺機能不全、眼瞼内反、薬剤性、結膜弛緩症
  4. びまん性:ドライアイ、感染性結膜炎、薬剤性
  5. 局所的:結膜異物、ヘルペス、コンタクトレンズ

また、原因を調べるために、下記の検査を行うことがある。

  • 涙液機能検査:Schirmer(シルマー)テスト第1法で涙液の基礎分泌および反射性分泌を測定する。5分後の測定値が10㎜以上で正常、5㎜以下で異常とされる。異常であれば涙液分泌減少型ドライアイを疑う。
  • 眼瞼の状態:マイボーム腺機能不全、マイボーム腺炎などマイボーム腺の異常、眼瞼内反や睫毛内反などがないかを観察する。
  • 角膜知覚:角膜ヘルペスや糖尿病の診断に有用である。その他にも顔面神経麻痺、コンタクトレンズ装用者、LASIK術後などで見られることがある。角膜知覚低下は涙液の反射性分泌を低下させる。
  • その他:結膜の状態、全身疾患の有無、使用薬剤
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点状表層角膜症(SPK)の治療

原因に対する治療を行う。

参考文献

  1. 細隙灯顕微鏡用語活用アトラス事典
  2. 今日の眼疾患治療指針 第3版
  3. 眼科学第2版

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